アニメ制作スタジオ 静岡市に初進出 県内学生採用に意欲

 東京都に本社を置くアニメ制作会社「シャフト」が6月、静岡市葵区に制作スタジオを新設した。アニメ制作会社が同市に進出するのは初めてで、アニメ業界への就職先として市内の専門学校からも歓迎の声が寄せられている。首都圏から移住した社員もいて、市は「若者の人口流出を防ぎ、地域活性化の起爆剤になれば」と期待を込める。

新設した制作拠点を視察する久保田光俊社長(右)=23日午後、静岡市葵区のシャフト静岡スタジオAOI
新設した制作拠点を視察する久保田光俊社長(右)=23日午後、静岡市葵区のシャフト静岡スタジオAOI

 23日にはシャフトの久保田光俊社長(62)=菊川市出身=が静岡市役所を訪れ、田辺信宏市長に新設した「静岡スタジオAOI」の業務開始を報告した。久保田社長は「ここ数年の通信環境の向上やテレワークの定着で、首都圏以外でも制作できると考えた。静岡から世界に作品を発信するというロマンを追い掛けたい」と語り、田辺市長は「静岡市は徳川家康の時代から職人が集まるものづくりのまち。アニメ制作はこうした歴史にフィットする」と応じた。
 シャフトは「魔法少女まどか☆マギカ」や「化物語」「3月のライオン」など多くのヒット作を手がけた。新設スタジオには作画・仕上げスタッフ5人が常勤している。
 県内の学生を積極的に採用する意志を示す。今春は市内の専門学校から卒業生2人が入社した。同市葵区の静岡デザイン専門学校によると、アニメ業界を目指す学生はいるが、県内に就職先がないため諦めるケースもあるという。同校の担当者は「制作現場に地元から通えるのはありがたい。学生の意欲向上にもつながる」と話す。
 日本動画協会(東京)の「アニメ産業レポート2021」によると、国内のアニメ制作会社の85%が都内に集中し、本県はシャフトのほか1社にとどまる。一方、作画のデジタル化を背景に各社は地方進出に意欲を見せている。
 市産業振興課の担当者は「アニメ業界への就職ニーズがあることを知った。今後も同様の話があれば積極的に受けたい」と話した。
 

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