伊藤さん(裾野)初優勝 静岡県アマ将棋名人戦

 第71期県アマチュア将棋名人戦(日本将棋連盟県支部連合会、静岡新聞社・静岡放送主催)の決勝トーナメント戦が19日、静岡市葵区の県総合社会福祉会館で開かれた。決勝で裾野市の会社員伊藤大悟さん(34)が、静岡市駿河区の大学院生山岸亮平さん(25)を下し、初優勝した。

決勝で山岸さんに勝利した伊藤さん(左)=静岡市葵区
決勝で山岸さんに勝利した伊藤さん(左)=静岡市葵区

 決勝トーナメントは、95人が出場した予選会を勝ち抜いた7人に、前回優勝者の石垣毅さん(三島市)を合わせた8人で競った。
 決勝では序盤から伊藤さんが優勢となり、山岸さんに反撃の隙を与えなかった。伊藤さんは「強敵だと分かっていたので全力で戦った。積極的な姿勢でペースをつかむことができた」と振り返った。
 伊藤さんは9月の将棋公開模範対局(静岡新聞社・静岡放送など主催)に出場し渡辺明名人との対局に臨む。
 また、全国支部将棋名人戦で優勝した高橋英晃さん(浜松市中区)、広津杯争奪将棋大会で高橋さんに次ぐ2位になった石垣さんと共に、同月の全日本アマチュア将棋名人戦に出場する。

 ■序盤早々にペースつかむ
 【総評】伊藤大悟さん(沼津支部)が、山岸亮平さん(OMK支部)の穴熊を一気に崩して、初の県名人の座に輝いた。
 決勝戦は、後手の伊藤さんの四間飛車に対し、山岸さんは穴熊に囲って対抗したが、穴熊の組み方に不備があり、後手は□6一飛から□6五歩(A図)と仕掛けて、序盤早々にペースをつかんだ。
 この後も角交換から□6八角と打ち、急所の□8七歩が取れないようでは、形勢は後手に傾いた。77手目の□6八金(B図)が■同金に□8八銀を見せた決め手で、受けがなく、この後もしっかり寄せて後手の勝ち。伊藤さんは過去、最強者戦でも優勝の経験がある実力者で、全国大会での活躍が期待される。(青野照市九段=焼津市出身)
 

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