テーマ : 医療・健康

がん治療の脱毛抑制期待 静岡県立総合病院が装置初導入

 静岡市葵区の静岡県立総合病院はこのほど、がん薬物療法による脱毛を抑制するための頭部冷却装置を県内で初めて導入し、乳がん患者を対象に治療を始めた。薬物治療に向かう患者の不安を和らげ、患者の生活の質を改善することが期待される。

がん薬物療法による脱毛の抑制が期待される頭部冷却装置=静岡市葵区の県立総合病院
がん薬物療法による脱毛の抑制が期待される頭部冷却装置=静岡市葵区の県立総合病院

 マイナス4度の冷却液を頭部キャップに循環させることで頭皮血管が縮小し、血流が抑制されて毛の根元へ到達する抗がん剤量を減らす。脱毛抑制効果には個人差があるが、脱毛した場合に回復する期間は短くなるデータも出ている。
 治療時間は薬物治療中とその前後の計約3時間半。薬物治療の標準となる8回行う。
 同病院によると、乳がんの薬物療法は脱毛の副作用が避けられず、精神的なストレスを抱えたり薬物療法を一時的に拒否したりする患者が少なくない。同病院のがん化学療法看護認定看護師の藤巻奈緒美さんは「脱毛治療をすることで、がん治療に前向きになってもらえたら」と願う。乳がん看護認定看護師の成沢誠さんは「海外のように、がん薬物療法を行う際は脱毛治療も当たり前にできるようになれば」と期待する。
 治療は自費診療。費用は8回で16万600円(手技代と頭部キャップ代)、頭部キャップをレンタルする場合は12万3200円。

いい茶0

医療・健康の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞