砂防規制 地権者同意の必要性 川勝知事「一概に言えず」【熱海土石流】

 熱海市伊豆山の大規模土石流で県が地権者の不同意を理由に逢初(あいぞめ)川上流域の砂防規制を見送っていた問題を巡り、川勝平太知事は15日の定例記者会見で、砂防規制する際の地権者同意の必要性について「ケース・バイ・ケースだ。一概に同意は要らないとか、同意を得るべきだとかは言えない」との考えを示した。
 土地所有者が開発行為をしようとする場合は、同意が得られずに砂防規制できない可能性がある。川勝知事は「地形も場所も違うし、(同意を得ないで)規制をすぐかけなくては危ない所と、私権に関することになると同意を得た方がいい所もある」と説明した。
 地形など現場の危険性を考慮して同意取得の必要性を判断すべきだとし、「困難事案や問題のある所は現場を見ないといけないのが鉄則だ」と現場の判断に委ねるべきだとの考えを示した。
 熱海の土石流をきっかけに制定された盛り土規制条例の7月1日の施行を控え、相談が相次ぎ、施行後の許可審査の遅れが懸念されていることに関しては「運用しながら、支障が出てきたら(手続きする組織体制を)変えていく」と答えた。

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