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移植手術支えて 肝がんの中2、坂本パトリック龍輝君(磐田) 目標3000万円、母親ら寄付呼び掛け

 肝細胞がんを患い、闘病している磐田市立豊田南中2年の坂本パトリック龍輝君(13)の母親らが、生体肝移植のための寄付を呼び掛けている。保険適用外のため、手術などに3千万円が必要。7月末の移植実現を目指し、母の坂本レチーシア・ユカリさん(33)=ブラジル出身=は「息子の命を救うために残された時間は少ない。助けてほしい」と訴えている。

県立こども病院に入院中の坂本パトリック龍輝君。動物好きで、ファシリティドッグとの触れ合いで笑顔を見せる=6月上旬、静岡市葵区の同病院(母のユカリさん提供)
県立こども病院に入院中の坂本パトリック龍輝君。動物好きで、ファシリティドッグとの触れ合いで笑顔を見せる=6月上旬、静岡市葵区の同病院(母のユカリさん提供)
募金活動に取り組む中学生ら=11日、磐田市内
募金活動に取り組む中学生ら=11日、磐田市内
県立こども病院に入院中の坂本パトリック龍輝君。動物好きで、ファシリティドッグとの触れ合いで笑顔を見せる=6月上旬、静岡市葵区の同病院(母のユカリさん提供)
募金活動に取り組む中学生ら=11日、磐田市内


 龍輝君は昨年11月から腹痛を訴えるようになった。当初は便秘や風邪と診断されたが、一向に改善せず、詳細な検査でがんと分かった。音楽が好きで「DJになりたい」と語っていた龍輝君。ユカリさんが夢を応援しようと、今夏にDJスクールに通わせる計画を立てているさなかだった。
 龍輝君は2月下旬から、県立こども病院に入院している。女手一つで兄妹2人を育てているユカリさん。仕事を休職して毎日、自宅と病院を往復し、息子の付き添いと娘の世話を何とか両立している。
 龍輝君は現在、抗がん剤治療を受けている。そんな中でも、病室からオンラインでクラスメートとおしゃべりすると、明るい笑顔を見せるという。ただ、抗がん剤の投与回数にも制限があり、ユカリさんは7月末までに生体肝移植の手術が受けられるよう準備を進めている。肝臓以外への転移は確認されていないものの、腫瘍の数が保険適用の基準を超えてしまっていて、費用は自己負担になる。
 ユカリさんの弟がドナー(臓器提供者)を買って出たが、がんが肝臓の約7割に広がっているため、難手術が予想される。ユカリさんは「龍輝は日本の暮らしや学校の友だちが大好き。これからも日本で成長し、生きてほしい」と願っている。

 ■広がる支援の輪
 肝細胞がんで闘病中の坂本パトリック龍輝君(13)と家族の窮状を知った人たちの支援の輪が広がっている。
 ユカリさんのSNSでの訴えに応え、これまでに全国の在日ブラジル人やペルー人らから約1000万円が寄せられた。龍輝君のクラスメートの母親らは6日、「リュウキ君を救う会」を設立し、募金活動を開始した。11日には、磐田市立豊田南中生13人も参加し、地元スーパーで買い物客らに寄付を呼び掛けた。
 小学生の時に龍輝君と仲良くなった坪井朔椰君(13)は「早く良くなって学校に戻って来てほしい。また一緒に恐竜の絵を描きたい」とエールを送った。
 寄付金の振込先は、静岡銀行豊田支店普通口座0480679、名義は「リュウキ君を救う会」。
 問い合わせはメールで<ryukikun_sukuukai@hotmail.com>へ。

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