記者コラム「清流」 ミツバチに学ぶ自然

 ぶんぶんぶん ハチがとぶ―。誰もが口ずさんだことがあるだろう童謡「ぶんぶんぶん」。開花した野バラにミツバチが集まる様子を歌う。目を閉じると、色鮮やかな花や緑いっぱいの自然の中を飛び回る姿が浮かんでくる。
 だが、その光景は単なる先入観だったようだ。歌詞の内容とは結びつかない、浜松市中心街でそう実感した。飲食店などが入るビルの屋上では蜂蜜専門店が養蜂に取り組んでいる。恐る恐る巣箱に近づくが、目の前を横切る姿と耳元の羽音に足がすくむ。
 1シーズンで採れる蜂蜜は1箱70キロほど。ミツバチの活動範囲は2~3キロというから中心街に今なお、自然が多く残っていることになる。いつもはネオンしか見えなかった中心街。ミツバチが自然の存在と大切さを教えてくれた。

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