国際カジキ釣り大会 “日本初”はどっち? 下田と茨城で論争

 どちらが「日本初の国際大会」か-。今年第44回を迎える下田市の「国際カジキ釣り大会」と、8月に初めて茨城県で開催予定の「大洗インターナショナルフィッシングフェスティバル」の間で、“日本初”の冠を巡って議論になっている。下田側は「地元と長年育んできた国際大会」と主張するが、茨城側は「国から初めて外国人出場の承認を受けるこちらが最初の国際大会」と譲らない。

過去の国際カジキ釣り大会のポスターを手に、振り返る渡辺清一郎常任理事=10日午後、下田市東本郷
過去の国際カジキ釣り大会のポスターを手に、振り返る渡辺清一郎常任理事=10日午後、下田市東本郷

 下田の大会は1980年代中盤から末にかけオーストラリアや東南アジアなどから出場があり、アジア大会を兼ねたこともあった。大会は国や静岡県の後援を受けていた。ただ主催者によると、外国人が日本の領海内でのトローリング(引き釣り)を禁止するとの国の規則があり、つい最近まで規則を把握していなかった。
 茨城県は国の承認を受けて、大々的に「外国人が参加する大会は全国初」とPRしている。会場近隣のリゾート化を目指す施策の一環で、国内向けの民間大会を母体に県などが実行委を組織。外国人が出場可能になるよう国に法律の規制緩和を掛け合ってようやく見通しが立ったといい、県主導で「日本初」をうたう。
 茨城県の益子学地域振興課長補佐は「外国人の出場はそもそも法律で禁止されていて、今回初めて法にのっとって外国人が出場する大会」と強調。一方の下田の大会を主催するジャパンゲームフィッシュ協会の渡辺清一郎常任理事(下田市)は「40年近く『国際大会』を冠してきた誇りを守りたい」と訴える。

下田市の国際カジキ釣り大会 主催者のジャパンゲームフィッシュ協会(本部東京都)によると、前身大会は1979年に東京の三宅島で開始。その後出場者が増えたため交通の便などが考慮され、市民有志の誘致で7回大会から下田に舞台が移った。新型コロナウイルス禍で2020、21年は中止となったが、毎夏600~700人の出場がある国内最大規模の大会。今夏は7月21日から3日間で、100チーム600人程度が出場する見込み。

 

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