静岡県、自動運転実験再開へ 8月から一般客乗せ公道走行

 静岡県は9日までに、昨年11月の接触事故を受けて中断していた自動運転の実証実験を8月から再開する方針を決めた。部品交換やシステム改修により安全性が確保できたと判断し、県内3カ所で一般客を乗せて公道を走行する。

実証実験に向け試験走行する自動運転車両=袋井市
実証実験に向け試験走行する自動運転車両=袋井市


 実証実験は定員8人の車両を使い、掛川市、松崎町、沼津市の3カ所で実施する。民間企業などと連携し、遠隔地に設けたコントロールセンターからカメラ映像などを通じて運行状況をリアルタイムで監視する。
 事故は昨年11月15日に伊東市の公道で発生し、自動運転車両のサイドミラーが歩行者と接触した。県は事故を受けて実証実験を見合わせ、原因究明を進めていた。
 県建設政策課未来まちづくり室によると、車両の駆動装置が故障したため車両を停止させる指令が伝わらず、ブレーキが作動しなかった。このため駆動装置を耐久性が高いものに変更したほか、実際の走行速度とシステム上の速度に乖離(かいり)が生じた場合に緊急ブレーキが作動するシステムを導入した。
 再開する実証実験では周囲の認識が難しいとされる夜間の走行に取り組むほか、複数の車両を同時に走らせることも計画しているという。県は自動運転技術を公共交通の運転手不足解消や高齢者の移動支援に活用するため、実用化に向けた取り組みを加速させる。

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