大型事業停滞気味 静岡市、解決を模索 市議会、先行事例を視察

 清水港の水族館(海洋文化施設)建設やJR清水駅前のサッカースタジアム新設構想など、大型ハード事業が続々と動きだしている静岡市だが、入札が思うように進まないなど事業の進捗(しんちょく)が停滞気味だ。そんな中、各会派の市議が各地の先行事例を相次いで視察し、課題解決策を模索している。

静岡市で進む主な大型ハード事業
静岡市で進む主な大型ハード事業

 市議会最大会派の自民党市議団は5月中旬、民間資金活用による社会資本整備(PFI)で進める海洋文化施設の在り方を考えるため、全国6都市の7水族館を訪問した。丹沢卓久市議は「PFIは市と事業者間で話し合いが進められ、事業の内容が市民に見えにくい」と指摘。多額の公費を使う事業に対し、「市民の声を反映することも大切。そのためには現場を知る必要がある」と視察の意義を強調する。
 「PFIと言いつつ行政が主導しすぎているのでは」と話すのは第2会派創生静岡の白鳥実代表。同会派は5月中旬、サッカースタジアムを中心とした多機能複合施設の建設が進む長崎市などを訪問した。民間企業主導で事業が進む事例を目の当たりにし、白鳥代表は「静岡市も民間事業者がどんどんアイデアを出せる仕組みにすべきではないか」と指摘した。同会派は視察の成果をまとめ、2023年度から8年間の第4次総合計画に生かせるよう、市に提言していく方針という。
 静岡市の大型ハード事業を巡っては、海洋文化施設が入札の参加希望者との対話に時間を要したとして、4月下旬に予定していた入札公告が約1カ月遅れた。大浜公園プール(駿河区)は入札の参加要件を満たした事業者がなく、不調に終わっている。
 サッカースタジアム整備に向けては、有識者や市民でつくる検討委員会を設置し、整備の主体や手法を検討していく。近くに建設が進む桜ケ丘病院への騒音を懸念する声が上がるなど、課題は多い。

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