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記者コラム「清流」 真実を語れ

 詭弁(きべん)とは道理に合わないことを強引に正当化する弁論のこと。違法盛り土の崩落に端を発した熱海市伊豆山の大規模土石流に関する検証では、行政公文書の内容と関係者の言い分が大きく異なり“詭弁合戦”の様相を呈している。
 熱海市議会による百条委には盛り土造成に関わった複数の業者が出席したが、責任はないと主張した。監視する側の県と市も適用すべき規制を巡り、互いに責任回避の発言が目立った。業者も行政も正義感や倫理観が欠如しているのではないか。
 数々の詭弁から浮かび上がるのは土石流は無責任の応酬の果てに起きた人災ということ。生命財産を奪われた被災者は納得できるはずがない。全ての関係者は自らの口で真実を語る責任がある。
 (社会部・市川幹人)

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