熱海土石流発生から11カ月 被災者ら現場付近で黙とう

 熱海市伊豆山の大規模土石流の発生から11カ月が経過した3日、被災者らでつくる「被害者の会」は発生時刻の午前10時半ごろ、被災現場付近で慰霊集会を開き、犠牲者に黙とうをささげた。

被災現場付近で線香を手向け、犠牲者を悼む被災者=3日午前、熱海市伊豆山
被災現場付近で線香を手向け、犠牲者を悼む被災者=3日午前、熱海市伊豆山

 現場の「警戒区域」には雑草が生い茂り、大きく損壊したままの住宅が何軒も残っている。同会の副会長で自宅が全壊した太田滋さん(65)は「なぜこんなことになってしまったのかと毎日思っている。11カ月たっても目に見える変化はない」と話した。
 市内外の応急仮設住宅で暮らす被災者の多くは、生活再建の見通しが立たずに苦しんでいる。市は現場を用地買収し、宅地造成した後に住民に分譲する「小規模住宅地区改良事業」を採用する方針を示しているが、太田さんは「被災者の声をしっかり聴き取り、制度のメリット、デメリットを説明してほしい」と訴えた。

 ■7月3日 追悼式開催へ
 熱海市は3日、関連死を含めて27人が死亡した大規模土石流の発生から1年となる7月3日に市主催の追悼式を伊豆山小で開くことを明らかにした。遺族らが出席するほか、川勝平太知事も参列する方向で調整している。
 市によると、式典は午前9時ごろ開会し、終了後には一般の人向けに献花台を設ける方針。発災時刻の同10時半ごろには、それぞれが思い思いの場所で黙とうをささげる。

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