記者コラム「清流」 カフェで感じたぬくもり

 取材の合間に、熱海市伊豆山のコミュニティーカフェ「あいぞめ珈琲店」に立ち寄った。壁一面に張られた木製のコースターには、土石流からの復旧復興を応援する人、全国からの支援に感謝する住民らのメッセージが書き込まれていて、開店当初より着実に増えているように見えた。
 店独自の「つながるチケット」も好評のようだ。チケットは買った人が店に残し、他の客が店内で利用できる。「ありがとう」。利用済みのチケットにはそう書き込まれていた。「お金を払わずに飲食するのは申し訳ない」とこぼす地元客もいるが、そこにも人を思う温かさを感じた。
 感謝や応援の形は人それぞれ。特別な表現にこだわらなくてもいい。大事なのは、思い続けること。この店に来ると素直にそう思える。
 (熱海支局・豊竹喬)

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