男子は聖隷、女子は富士見が優勝 静岡県高校総体バレーボール
静岡県高校総体は29日、バレーボール、サッカーなどを行い、バレーボール決勝は男子の聖隷クリストファーが2-0で浜松湖北にストレート勝ちして2年ぶり16度目の優勝を果たした。女子の富士見も2-0で沼津西を退け4年連続11度目の頂点に立った。
▽男子決勝
聖隷クリストファー 2(25―15 25―17)0 浜松湖北
▽同3位決定戦
静清 2(18―25 25―19 25―20)1 伊豆総合
▽女子決勝
富士見 2(25―16 25―16)0 沼津西
▽同3位決定戦
三島南 2(25―18 25―13)0 聖隷クリストファー
■聖隷の2年生主将小野 19得点
2年ぶりの優勝を飾ったバレーボール男子の聖隷クリストファーは2年生エースが躍動した。小野がアタック決定率72%をたたき出すなど19得点。地区大会から主将も務めていて、「新人戦はコロナで辞退し、悔しかった。聖隷は王座に座っていなければならない」と責任感を口にした。
「静岡から日本一」を目指し県外の強豪の誘いを断って入学した逸材。田川監督はさらなる成長を促すため、主将だった上級生がけがで離脱した際に「(30年の)監督生活で初めて」2年生で主将に抜てきしたという。
小野は決勝でエース同士の打ち合いを制しチームを鼓舞。それでも、「序盤に緊張でミスがあった」と反省する姿に名門を引っ張る自覚がにじんだ。
今回の決勝は両校の指揮官にとって特別な一戦だった。浜松湖北の中川大監督の父は、聖隷の初代監督で1月に死去した中川弦一郎氏。田川監督もコーチとして師事した恩師だ。「恩返しの舞台になった。全国で勝って墓前にいい報告をしたい」と田川監督。3年ぶりの全国は最終日まで勝ち残る決意だ。
■小柄なセンター機能 富士見
センターラインを駆使したコンビバレーが女子の富士見の真骨頂。ただ、高さがない今年は使い方を工夫する。今は速さを抑えても高いトスを強く打つことを重視。164センチの土屋、171センチの高杉の小柄なセンター陣が要所で得点した。
春に県外の強豪と対戦し、180センチの渡辺以外は通用しないことを痛感。東部大会決勝も渡辺、八田の両サイドに攻撃が偏り沼津西にフルセットまでもつれた反省から、県大会に向け「どんな形でもセンターに点を取らせる攻撃」(主将小池)を試行錯誤してきた。
富士見が得意としてきた移動攻撃や多彩な速攻を繰り出す場面は限られる。それでも粘り強く拾って好機をつくり、第1セットは6-6から土屋の連続得点で抜け出し、第2セットは12-9から高杉の強打と連続ブロックで突き放した。「これまで速攻でブロックに捕まっていたが、(トスが高い分)相手の位置を見て打てている」と土屋。2セットとも25-16。5人が満遍なく得点しての完勝が成長を物語った。