海外とパイプ、メリット発信 静岡県地域外交の担当部長・山本東氏【本音インタビュー】

 川勝平太知事の肝いりで2011年度にスタートした県の「地域外交」。シンボル的存在だった東郷和彦対外関係補佐官(当時)の報酬が新年度予算からカットされ、退任を迫られるなど、県議会からは厳しい目が向けられている。岐路に立つ地域外交の役割や目的を聞いた。

山本東氏
山本東氏


 -地域外交とは。
 「外交というと国家間のイメージ。地域外交は、静岡県を含む地域レベルの国際交流や国際協力のお手伝いをするのが役割。県と地域の交流だけでなく、市町や企業、市民の方も含めて幅広い交流を支援する。青少年の交流などを通じ、多様な価値観を尊重できる人づくりもその一つ。県の利益も必要で、外国からの往来や県産品の輸出を増やすなど経済面で貢献する」
 -成果は出ているか。
 「経済振興や観光誘客はそれぞれの部署でやっているが、一つの線でしかない。地域間で文化や経済などいろんな交流があり、相手がこちらに親近感を持っていれば、こういう交流事業ができると提案できる。表立っては見えにくいが、地域同士のつながりにより、国家レベルで話をするときに静岡の応援団になってくれることもある。新型コロナウイルスの流行前は静岡空港の中国路線が充実していた。人間関係の構築により、政策を後押ししてくれることがあるかもしれない。国と国の政治情勢が悪くても、地方レベルでは交流できることもある」
 -県民理解に向け何をするか。
 「外国人との垣根が低い時代になった。県が世界に自ら発信し、特定の地域とつながり、全世界から静岡で働いてみよう、旅行してみようという選ばれた地域になることが大事。それによって県民の満足度や幸福度を上げる。それが地域外交の仕事だと理解してもらう。動画の配信などオープンにやってきたが、職場見学や海外での『静岡ブランド』の認知度調査など、県民に説明を尽くしたい」
 -東郷前補佐官の報酬がカットされ、補佐官不在の状況だが、補佐官は必要か。
 「補佐官には地域外交をいかに戦略的、効果的に行うかや、県職員では難しい人脈づくりなどで助言を受けた。県職員ではない外部の方で、専門的な知識を持っている人の助言は必要だと思う。在り方について議論はあるが、県民目線で判断していく。県議会には説明を尽くしていきたい」
 (聞き手=政治部・市川雄一)

 やまもと・あずま 1986年県採用。オリンピック・パラリンピック推進課長、東部地域局長などを経て2022年4月から現職。地域外交局の前身にあたる国際課や国際室に計6年勤務。自治体国際化協会ニューヨーク事務所に2年派遣経験も。

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