熱海土石流 搬入県外土砂、崩落発端か 砂防ダム堆積物を分析

 静岡大の北村晃寿教授と矢永誠人准教授は27日、昨年7月に発生した熱海市伊豆山の大規模土石流の際に逢初(あいぞめ)川上流域の砂防ダムにたまった土砂を分析した結果、関東方面の県外から搬入されたとみられる黒色の土砂が多く堆積していたと発表した。北村教授は「(土石流起点付近の)盛り土崩落の始まりは黒色の土砂だった可能性が極めて高い」としている。

逢初川上流域で崩落した盛り土と砂防ダムにたまった土砂の状況(イメージ図)
逢初川上流域で崩落した盛り土と砂防ダムにたまった土砂の状況(イメージ図)

 盛り土崩落に伴う土石流は、複数回にわたって下流域を流れ下ったことが住民の証言などで確認されている。特に大規模崩落に至る直前に最初に流れ始めた土石流は「第0波」とされ、盛り土の約400メートル下流側にあった砂防ダムでせき止められた可能性が高い。そのため、ダムに堆積した第0波の土砂を調べることで、盛り土崩落の過程を探る重要な手がかりが得られるという。
 昨年8月に砂防ダムの背後で唯一掘削されていたボーリングの地質試料を分析したところ、より深い部分に黒色の土砂が堆積していた。深さ3・7メートル付近で化石の交じった黒色の土砂が主に確認され、最上部は褐色の土砂が比較的多かったという。深さ3・8メートル付近には2011年3月の東京電力福島第1原発事故時の放射性物質を含んだ土砂があった。
 北村教授によると、今回の分析結果から、最初に崩落した盛り土の黒色土砂が第0波として上流域を流れ下って砂防ダムにたまり、その後も複数回にわたって土砂が崩落。後から崩落した土砂は砂防ダムを乗り越えて下流域に流出し、大きな被害をもたらしたとみられる。北村教授は「黒色の土砂から盛り土が崩れ出した根拠が補強された」と説明する。
 盛り土には当初、褐色の土砂が積み上げられ、09年10月以降に盛り土量が急増し、褐色から黒色に変化していた。北村教授らのこれまでの分析によると、黒色土砂は神奈川県西部などにある海底堆積物「チャート」が交じり、粒子が丸く水を含みやすい土砂だった。

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