今後のコロナ対策や展望 矢野医師、浜松で講演 21世紀倶楽部
静岡新聞社・静岡放送21世紀倶楽部は24日、5月例会セミナーを浜松市中区のプレスタワーで開いた。浜松医療センター感染症管理特別顧問で、市感染症対策調整監の矢野邦夫医師が「ウィズコロナ下の感染対策」と題して講演し、新型コロナウイルスに関する知見やコロナ禍の出口戦略を展望した。
矢野医師は主流となっているオミクロン株の特徴として、過去に新型コロナに感染した人やワクチンを接種した人も感染させる「免疫回避」を挙げた。感染力はデルタ株や他の株と比べ「気管支で最大70倍速く増殖できる一方、肺での増殖は比較的遅い」と述べた。
徹底した感染防止対策の継続で生じる課題も指摘した。夏に熱中症患者の増加が見込まれるほか、過去2年にわたって感染者が少なかったインフルエンザや子どもがかかりやすいヘルパンギーナ、手足口病などの流行が懸念されると強調した。
元々患者の多い冬季と感染者の急増が重なり、医療逼迫(ひっぱく)が起きないよう、早期のマスク着用ルールの緩和などにより、「冬が来る前に(新型コロナ以外の病気の)流行を1回終わらせないといけない」との考えを示した。
このほか、ワクチン接種の効果や国産治療薬の開発動向などについても解説した。