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大自在(5月24日)日米首脳会談

 日米親善の礎を築いた先人の偉業をたたえ、末永い友好を誓う。下田市で3年ぶりに開かれた「黒船祭」に合わせるかのように、バイデン米大統領が来日した。就任後、初の訪問である。
 昨夜は徳川家康側近で時代劇でもおなじみの大久保彦左衛門の屋敷跡と伝わる料理屋で、岸田文雄首相と会食した。名園と誉れ高い日本庭園を散策し、首相夫人のお点前も堪能した。
 日米首脳の会食といえば8年前を思い出す。当代きってのすし職人、浜松市天竜区出身の小野二郎さんの店で、当時のオバマ大統領と安倍晋三首相が舌鼓を打った。「人生で一番おいしいすしだった」との大統領の感想が残る。
 首脳同士の親密な関係、引いては両国の結束をアピールする。水入らずの会食風景はそんな演出には違いないが、脚色と切って捨てられぬ「重み」がある。殊に今回の日韓歴訪にバイデン大統領が込めた狙いとは、まさしく「強固な結束」を見せつけることだったのではないか。
 ロシア、中国、北朝鮮。首脳会談の最中、目の前にいたのが日韓のトップであっても、大統領の意識にあったのはこれら3カ国の首脳だったはずだ。きょう予定されるオーストラリアとインドを加えた「クアッド」の首脳会合でも同様だろう。
 「核なき世界」を提唱したオバマ大統領の下で副大統領を務めたバイデン氏と被爆地広島が選挙区の岸田首相。核抑止ではなく核廃絶の議論こそ似合う2人だが、3カ国はそこにも立ちはだかる。現実主義者とも評される2人の間で核廃絶論議が深まった様子は残念だがない。

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