⚽ホンダFC2回戦へ 藤枝は富山に敗れる サッカー天皇杯

ホンダFC―奈良クラブ 延長後半の追加時間、決勝点を決めて喜ぶ岡崎(左から2人目)=ロートフィールド奈良
ホンダFC―奈良クラブ 延長後半の追加時間、決勝点を決めて喜ぶ岡崎(左から2人目)=ロートフィールド奈良
藤枝―富山 前半、ドリブルでゴールに迫る藤枝の横山(中央)=高岡スポーツコア
藤枝―富山 前半、ドリブルでゴールに迫る藤枝の横山(中央)=高岡スポーツコア
ホンダFC―奈良クラブ 延長後半の追加時間、決勝点を決めて喜ぶ岡崎(左から2人目)=ロートフィールド奈良
藤枝―富山 前半、ドリブルでゴールに迫る藤枝の横山(中央)=高岡スポーツコア

 サッカーの第102回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)は22日、三重交通Gスポーツの杜鈴鹿などで1回戦15試合が行われ、日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズ(三重)は3-0でチェント・クオーレ・ハリマ(兵庫)に快勝した。鈴鹿の三浦知良(静岡市出身)はベンチ外。
 J1、J2勢は6月の2回戦から登場する。
 静岡県勢でアマチュアシードのホンダFCは延長の末に1-0で同じJFLの奈良クラブを下した。主導権を握りながら仕留めきれずにいたが、延長後半の追加時間にFW岡崎が押し込んだ。ホンダFCは6月1日の2回戦でJ2仙台と対戦する。
 県代表のJ3藤枝は同じJ3で戦う富山に0-1で惜敗した。シャドーストライカーのMF横山がチーム最多のシュート3本を放ったが、最後までゴールが遠かった。

 ▽1回戦
ホンダFC (アマチュアシード) 1(0―0 0―0 延長 0―0 1―0)0 奈良ク(奈良)
▽得点者【ホ】岡崎

富山(富山) 1(1―0 0―0)0 藤枝(静岡)
▽得点者【富】吉平


 ⚽岡崎 土壇場決めた ホンダFC
 ホンダFCらしく攻め続け、最後の最後に歓喜の瞬間にたどり着いた。PK決着が見えかけた延長後半の追加時間1分すぎ。勝利の立役者は、最前線で幾度も好機を迎えていたFW岡崎だ。
 味方のシュートがクロスバーをたたいた後だった。中央で右からの折り返しに構えると、いったん左に渡った浮き球がMF鈴木理を経由して目前に。足を伸ばし、ゴールにねじ込んだ。自身6本目の執念のシュートが実った。
 終始ボールを支配し、パスを連ねて中央から崩しにかかった。放ったシュートは相手の5倍以上の22本。特に前半は立て続けに決定機があり、「早めに決めきらないと」(岡崎)と反省材料ははっきりしている。
 次に駒を進めたことで、今年もJリーグ勢への挑戦権を得た。昨年はJ1横浜Mを撃破。安部監督は周囲の期待に「またやってくれるんじゃないか、という目線で見てくれるのはすごく幸せ」と実感を込める。2回戦の相手はJ2で首位を走る仙台と不足はない。「勝利して従業員の皆さんを喜ばせたい」とGK楠本。今年も再び番狂わせを起こす準備はできている。
 (市川淳一朗)

 ⚽富山への苦手意識克服できず 藤枝
 苦手意識を克服できなかった。J3同士の対戦で藤枝は先月のリーグ戦ホームで敗れた富山に再び屈し、MF横山は「攻撃が単調だった。特別な思いがあっただけに一段と悔しい」と唇をかんだ。
 相手指揮官は2020年まで藤枝を率いた石崎監督。ボールを保持して攻撃を組み立てる藤枝に対し、前線からプレスにくるのは分かっていた。後を継いだ須藤監督が「もったいなかった」と嘆いたのは前半17分の失点。DF神谷が自陣深くでボールを失い、藤枝から移籍した相手FW吉平に頭で決められた。
 失点後はピッチを幅広く使って突破口を探ったが、相手のブロックに阻まれた。後半途中から出場した杉田主将は「前掛かりになりすぎ、中盤のスペースを消してしまった。迫力で相手が上だった」と敗因を見つめた。
 29日にはリーグ戦で沼津とぶつかる。須藤監督は「チームは発展途上。細かいプレーの質を上げ、リーグ戦に思いをぶつけたい」と気持ちを切り替えた。
 (寺田拓馬)

 ⚽富山の吉平 古巣藤枝相手に会心決勝点
 古巣の藤枝相手に富山のFW吉平がヘディングシュートで決勝点を奪い、「どんぴしゃのパスで触るだけだった」と会心の笑みを浮かべた。
 前半17分、味方のインターセプトに反応してニアサイドに走り込み頭で合わせた。「前からのプレスは自分たちの持ち味」とチームの狙い通りのゴールを振り返った。
 得点だけでなく石崎監督が評価したのが前線からの守備。指揮官は「最初に守備のスイッチを入れてくれる。吉平をスタメンにしてからチームの状態が良くなった」と目を細める。
 先月のリーグ戦でも藤枝からゴールを奪って勝利に貢献したストライカーは「互いに自分たちのやり方を貫く中で相手を上回れている」と自信を示した。

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