第115代静岡県議会議長に就任 薮田宏行さん【時の人】

 昨年12月に静岡県政史上初となる知事辞職勧告決議案が可決されるなど、川勝平太知事との対立に県民の注目が集まる中、県議会のかじ取り役を担う。「県民のための県議会にならなければいけない。時には(知事と)対立することもあるかもしれないが、県の将来を考え、是々非々で取り組む」

薮田宏行さん
薮田宏行さん

 小笠郡城東村(現掛川市)の農家の次男として生まれ、静岡大時代に学生結婚し、妻の実家のある御前崎町(現御前崎市)に移り住んだ。小学6年時の担任教諭に「世の中のためになる仕事を選べ」と言われたことが政治家を志すきっかけになった。6歳離れた兄の小中高大の同級生、石川嘉延前知事は小さいころからの知り合いで、町議や県議に立候補する節目には必ず相談してきた。
 地元の小、中学校でPTA会長を務め、学校関係者の後押しもあり、1991年、御前崎町議に初当選した。兼任していた御前崎漁協専務理事の手腕を買われ、48歳で行政経験者以外では異例となる同町助役に就任。2007年に合併で誕生した御前崎市選挙区から初の県議になると、副議長、自民党県連幹事長などを歴任した。旧御前崎町からは初の県議であり、議長となる。
 戦後間もない貧しい時代を知っているからこそ、衣食住の充実を常に意識してきた。「不自由なく普通に生きていくことが保障される社会を築きたい」。政治家としての信念は今も変わらない。妻と2人暮らし。3人の息子、大学4年生を筆頭に4人の孫がいる。75歳。

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