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伊藤正裕さん キャンドルステージ制作、「魔法の光」ムード演出【フェスを支える 3年ぶり「頂」①】

 静岡県内で2008年から続く野外音楽フェスティバル「頂-ITADAKI-」(BOOM BOOM-BASH主催、静岡新聞社・静岡放送など共催)が6月、吉田町で3年ぶりに開催される。新型コロナウイルス禍を乗り越えて復活する同フェスは、主催者や制作に関わる人の多くが県民で、全国に広がる「ローカルフェス」のお手本とされる。裏方を担う関係者に、それぞれの役割や開催に向けた思いを聞いた。

「コロナ禍を経た今、新しい『頂』を作っていかなくては」と話す伊藤正裕さん=静岡市葵区
「コロナ禍を経た今、新しい『頂』を作っていかなくては」と話す伊藤正裕さん=静岡市葵区


 静岡市葵区のデザイン会社「サーモンデザイン」のアートディレクター。夕暮れ時の特別ステージ「キャンドルステージ」の制作に2016年から携わる。
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 舞台のデザインを、出演者に合わせて毎年変えています。この時間は会場の電気を全て切っていて、ステージの明かりは約500本のろうそくだけ。客席と演奏者の間に独特の一体感が生まれます。
 ろうそくの光は弱いし、会場の風が強い時もある。ステージの雰囲気に陶酔できる距離、“魔法がかかる”距離は明かりの強さに比例すると思っているので少しでもその領域を広げようと考えています。シャンデリアをつるしたり、舞台背後にあんどんをいくつも並べた“壁”を作ったり。毎年、工夫を凝らしています。
 2017年に高木正勝さんが出演した時は、はだしでピアノを演奏するだろう彼の心地よさを考えて、ステージ上に芝を張り、アロマキャンドルを置きました。ご本人の住まい周辺をイメージした「里山」がテーマ。お客さんだけでなく、音楽家にもこの時間を気持ち良く過ごしてもらいたいんです。
 18歳からいろいろな野外フェスに参加していますが、「頂」の雰囲気は特別。首都圏から来る友達も「他とは違う」と言ってくれます。手作り感があってリラックスできるから、誰もが「(地元に)帰ってきた」と感じるようです。お客さんだけでなく、もてなす側も心から場を楽しんでいるからでしょうね。

 ◇日程 4日午前9時半開場、5日午前9時半開場
 ◇会場 県営吉田公園(吉田町)
 ◇出演 奥田民生、PUSHIM、UA、PAPA U-Gee、渋さ知らズオーケストラ、THA BLUE HERB、Nulbarichほか全18組
 ◇前売り券 2日通し1万4300円、1日7700円など。中学生以下無料(保護者同伴)
 ◇オフィシャルサイト http://www.itadaki-bbb.com/2022/
 ※来場者の個人情報登録、会場入り口での検温、会場内のマスク着用など、感染症対策を徹底する

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