子ども脱マスク 近づく夏、議論活発化 静岡県、考え方提示へ

 新型コロナウイルス対策の屋外のマスク着用を巡り、見直し議論が静岡県内で活発化している。暑い時期を控え、熱中症予防の観点から「子どもは外すべき」とする声がある。県は新型コロナ対策専門家会議の合意を前提に、低年齢児を中心とした屋外マスクの考え方を示す構えだ。

雨にもコロナにも負けない―。屋外での脱マスクを採用する保育園で元気に遊ぶ園児ら=16日午前、焼津市内
雨にもコロナにも負けない―。屋外での脱マスクを採用する保育園で元気に遊ぶ園児ら=16日午前、焼津市内

 「未就学児の屋外での着用はやめようという意見が多く出た」
 県健康福祉部の後藤幹生参事は12日の記者会見で、感染対策の緩和を初協議した4月下旬の専門家会議を振り返った。
 オミクロン株は子どもが感染しても軽症や無症状で済み、他世代への感染拡大の起点にもなっていない。一方でマスクを着け続けると熱中症の重症化リスクが高まる。会議ではこの視点に立った議論が交わされ、月内に詰めの協議をする。後藤参事は「未就学児の(屋外での)マスク対応をなくす方向性を示していきたい」とした。
 未就学児の屋外での脱マスクは既に一部の保育施設が独自に採用している。静岡市清水区の認定こども園清水白百合幼稚園は園医と相談して今年から始めた。高塚匡宏園長は「体温が高い子どもは苦しそうで、外せるなら外したかった。外遊びなら大丈夫と判断した」と明かす。
 焼津市のたかくさ保育園はマスクを強制しないスタイルを貫いてきた。全国保育士会の会長でもある村松幹子園長は「コロナ対応は明確な指標がなく、判断は常に現場に任されてきた。方針のようなものが示されるなら、どの園もやりやすくなるのでは」と話す。
 表情が見えにくいマスクは未就学児の言語習得に影響を及ぼすとの指摘がある。子どもの発達と感染対策の折り合いをどう付けるかは保護者にとって繊細なテーマで、価値観は多種多様。清水白百合幼稚園やたかくさ保育園のように、どの園も施設単位で方向性を出せるとは限らない。
 静岡市小児科医会の河原秀俊会長は「日本人は周囲の目を気にするので『マスクは取るべき』などの助言をしても限界がある」と強調。「行政がしかるべきガイドラインを示すことが重要」と訴える。

 <メモ>屋外でのマスク着用議論は政府レベルでも進む。山際大志郎経済再生担当相は11日、全国知事会の平井伸治会長(鳥取県知事)とのオンライン会談で「特に子どもに関して、社会を守るために我慢してもらう側面が相当あった」とし、見直しを検討する姿勢を示した。感染の基本的予防策としてマスク着用の緩和に慎重な岸田文雄首相も、屋外に関しては「人との距離が十分取れれば必ずしも必要ない」という趣旨を発言している。

 

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