静岡人インタビュー「この人」 窪野茂さん(袋井市)静岡県SDGsビジネスアワード最高賞を受賞した 

 専務を務める袋井市の商社「TSK」で開発した高効率の磁石加熱装置「マグヒート」が脱炭素化技術として評価され、初めて開催された「県SDGs(持続可能な開発目標)ビジネスアワード」の最高賞に選ばれた。私立大学の事務職から転職し、2007年に父・忠さんの経営する商社に入った。49歳。

窪野茂さん
窪野茂さん

 ―マグヒートの開発経緯は。
 「マグヒートは磁石を高速回転させ、発生する熱を使う仕組み。磁石に詳しかった技術部長から、扇風機に磁石を付けて10円玉を近づけると温まると言われたのがきっかけ。実際にやってみたら、本当に温まった。配列を工夫するうちに、より早く温まるようになった」
 ―アワードで評価されたが。
 「これまでは磁石で加熱できる点をアピールしてきたが、アワードで『新しい技術や方法を開発した人はそれを自慢するだけで終わる』『新技術が何に貢献できるのか、どんな価値を生み出せるのかをしっかり説明して』と指摘され、心に刺さった。その翌日、社員に伝え、社員がデータを分析し直して、製品の特徴を整理した」
 ―製品の特徴は。
 「アルミニウムが1分間に500度まで温まる。非常に早く加熱できるのが特徴で、企業のコスト削減に貢献できる。金属加工での需要を見込んでいる。再生可能エネルギーで動かせば二酸化炭素(CO2)発生はゼロに抑えられる」
 ―TSKはどんな会社か。
 「父が2002年に創業した技術系の商社で社員5人。楽器メーカーや二輪メーカーの退職者が多い。平均年齢は高いが、技術で社会を変えようという意欲的な人が集まり、和気あいあいと仕事に取り組んでいる」

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