浜北人骨の発見理由は 調査団長・近藤准教授が解説 土壌など着目
旧石器時代の人骨化石として本州唯一の「浜北人骨」が出土した根堅遺跡(浜松市浜北区)の調査団長で、お茶の水女子大の近藤恵准教授が14日、同区の浜北文化センターで講演した。貴重な化石が見つかった理由を、石灰質の土壌などに着目しつつ解説した。

近藤准教授は、本州で人骨化石が発見されにくいのは、多くの土壌が火山の噴出物などの影響で酸性になり、カルシウムが溶け出す点を挙げた。一方、根堅遺跡周辺は骨が保存されやすいアルカリ性寄りだと指摘。かつて採石場だった同遺跡で1960年代に化石が発見され、調査が行われた経緯を説明した。
旧石器時代の人骨と考えられた化石は本州の別の遺跡からも発掘されたが、90年以降は年代測定技術が進み、浜北人骨が本州で唯一だと特定された。近藤准教授は「浜北は日本人のルーツに関わる資料が出た非常に重要な土地だ」と強調した。
講演は、同遺跡の調査に協力している同区のボランティアグループ「遠州山辺の道の会」が年に数回行っている歴史講座の一環。