ジム利用、夏もマスク? 熱中症懸念、悩む屋内スポーツ施設

 トレーニング中にマスク着用を求めるか否か―。新型コロナウイルス禍が続く中、静岡県内の屋内スポーツ施設で対応が割れている。感染拡大の第2波が襲った2020年夏に浜松市の施設でクラスター(感染者集団)が発生したこともあり、マスク着用は感染防止対策の柱の一つと位置付けられてきた。ただ、昨今はクラスターは見られず、一時は利用を控えていた高齢者の姿も目立つようになってきた。熱中症のリスクがある夏場を控え、どう対応すべきか。関係者は頭を悩ませている。

マスクをしてウェイトトレーニングをする利用者=4月下旬、沼津市民体育館
マスクをしてウェイトトレーニングをする利用者=4月下旬、沼津市民体育館

 「マスクをしてのトレーニングはつらい」。沼津市高島町の市民体育館で今春、自転車型トレーニング器具に乗っていた市内の20代男性は、思わず本音を漏らした。同体育館は水分補給時などを除き、不織布マスクの着用を義務化している。マスクをずらしている利用者がいれば、指導員が声を掛ける。
 同市産業振興部ウィズスポーツ課主査の三井賢一さんは「マスクを外さなければならない強度の運動は避けるように呼び掛けている。感染状況にもよるが、現状では夏でもマスクは必須」と強調する。
 一方、静岡市駿河区の県草薙総合運動場の屋内トレーニング室では、ランニングマシンやウェイトマシン器具の間隔を2メートル開け、高さ約2メートルのパーティションを設置した上で、運動中のマスク着用を義務付けていない。
 同施設の担当者は「休憩や着替えでは必ずマスクを着用してもらう。トレーニング中もできるだけしてほしいが、高齢の利用者も多く、酸欠などの事故のリスクを考えて強制はしていない」と説明する。
 ランニングマシンや器具を使ったトレーニング中でもマスク着用を求める施設は多い。静岡県健康福祉部の後藤幹生参事は「最近、スポーツ施設のクラスターを耳にしないのは、各施設で対策が徹底されているからだろう」と見る。浜松医療センター感染症管理特別顧問矢野邦夫医師は夏場に向け「基本的な感染対策を徹底した上で、マスクなしでのトレーニングも許容する必要がある」と指摘した。

 <メモ>静岡県内で確認されたスポーツジムのクラスターは、2020年に浜松市で2件、21年に三島市で1件。多くの施設で利用者数の制限、使用器具の消毒などさまざまな感染対策が行われている。施設によっては器具間にパーティションを設置したり、台数を減らして間隔を取ったりしている。

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