バッグ類、写真を生地に転写 沢井健二さん(静岡市)【ものづくりびと 県内作家の小さな工房】

 庭先に植わるイモの葉に落ちた水滴、竜爪山で見たツバキ、タンザニアのシマウマ、マダガスカルのバオバブの木―。ポーチを彩るのは静岡市葵区でセレクトショップを経営する沢井健二さん(71)=同市清水区=が長年撮影してきた写真だ。

世界各地の動植物を捉えた写真をバッグやポーチに。ファスナーや持ち手の色合わせも工夫を凝らす
世界各地の動植物を捉えた写真をバッグやポーチに。ファスナーや持ち手の色合わせも工夫を凝らす
沢井健二さん
沢井健二さん
世界各地の動植物を捉えた写真をバッグやポーチに。ファスナーや持ち手の色合わせも工夫を凝らす
沢井健二さん

 野生の草花や生き物が見せる美しい瞬間を捉えたショット。沢井さんは「バッグのために撮っているわけではない。当てはめてみたらうまく収まったものが大半」と話す。
 実家の洋品店は同市の中心市街地に位置し、ファッションの最先端を見て育った。中学校の部活動で写真に夢中になった。大学卒業後に家業を担うも、休日は海へ山へ。「自然の色をたくさん目にしてきた。1羽の鳥を見ても白色の入り方、形など、デザインのヒントが詰まっている」
 フィールドをアフリカ、中南米に広げ、写真家としても活動する中、10年ほど前からバッグ類を作り始めた。「デジタル技術の力があってこそ」。左右対称に加工したり、一部を切り抜いたりして、ファッションアイテムとして見せる工夫を重ねていく。
 写真を厚手のポリエステル生地に転写。縫製は50年前に製造された業務用ミシンが活躍する。革製品のために殺される動物の存在を知ってもらおうと、生命感あふれるワニやサイの写真を配したバッグを制作した。そのシリーズは雑誌にも取り上げられた。
 世界各地の大自然、そこに生きる動植物と向き合うたび、人間はそれらとの関わりなしでは生きられないと実感する。「生き物の魅力をファッションに結びつけ、その尊さを表現していけたら」と意欲を語る。

 さわい・けんじ 静岡市葵区生まれ。バッグ類は同区鷹匠の「Rokkodo」で販売。ポーチは2200円、バッグは5500円~。

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