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プロが提案 華やか✿行楽弁当 ご飯は「俵形」に 煮汁の割合応用

行楽弁当
行楽弁当
勝呂文洋さん
勝呂文洋さん
行楽弁当
勝呂文洋さん

 風薫る爽やかな季節。自然が感じられる開放的な場所で楽しむ食事は一層おいしく感じられる。持って出かけたくなる華やかな行楽弁当のレシピを、飲食店などを展開するなすびグループ(静岡市清水区)和食統括料理長の勝呂文洋さん(56)に提案してもらった。生活雑貨専門店員が薦める日常使いに便利な弁当箱も紹介する。
 旬を迎えるトウモロコシの黄色と枝豆の緑色が目にも楽しいご飯は、俵形にすると弁当でも食べやすい。押し型にご飯をやや多めに入れ、しっかり押すと崩れにくくなる。米を洗う際のポイントは「1回目にすすいだ水をすぐに捨てること。ぬか臭さが米に移るのを防げます。洗いすぎないことも大切で手早く2、3回で十分です」
 甘さと塩辛さのあんばいが絶妙な甘辛煮はご飯が進む一品。具材は一度鍋から取り出して煮汁を煮詰め、再び戻す。「食材に火が通り過ぎるのを防ぎ、本来のうまみや食感が保てます」。煮汁は「万能調味料」でみりん、酒、濃口しょうゆの5:3:1の割合を覚えておけば魚料理などにも応用できる。
 「日本料理で袱紗[ふくさ]は、ふっくらした、やわらかいという意味です」。袱紗焼きはふわっとした口当たりの卵焼き。ほんのり甘めの味付けに仕上げた。「具はキノコやエビ、キッシュのようにジャガ芋など、お好きな食材で楽しんでください」。焼く時は強火で手際良く仕上げるのが理想だが、家庭では焦げない程度の中火で落ち着いて焼くと失敗しにくい。手首を使いながらフライパンを大きく動かすときれいに巻ける。
 

玉蜀黍(とうもろこし)ご飯

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 【材料】(2人分)
 米1合、A(かつおだし・昆布だし各85cc、酒・みりん・薄口しょうゆ各10cc、塩少々)、トウモロコシ(ゆでたむき身)30グラム、バター少々、枝豆(ゆでたむき身)少々
 【作り方】
 ①米をとぎ、ざるにあけて20分置く。米にAとトウモロコシを加えて炊く。
 ②バターを入れて混ぜる。
 ③俵形のおにぎりの型に❷を入れて押し固める。上から枝豆を散らす。

 

鶏肉と新ジャガの甘辛煮

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 【材料】(2人分)
 鶏もも肉120グラム、新ジャガ(小)3個、ゴボウ⅛本、ニンジン1/3本、こんにゃく1/4丁、A(みりん200cc、酒120cc、濃口しょうゆ40cc)、スナップエンドウ3本、薄力粉適量
 【作り方】
 ①鶏もも肉は一口大に切り、薄力粉をまぶす。新ジャガ、ゴボウ、ニンジン、こんにゃくは一口大に切る。ゴボウは流水にさらしてあくを抜いておく。
 ②170度の油で❶を表面が色づく程度に揚げる。
 ③鍋に❷とAを入れて強火にかけ、沸騰したら中火に落として5分ほど炊く。
 ④具材を一度取り出し、煮汁を煮詰める。泡が立ってきたら具材を戻して絡め、下ゆでしたスナップエンドウを加える。

 

袱紗(ふくさ)焼き

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 【材料】(2人分)
 卵2個、かつおだし30cc、砂糖10グラム、塩・薄口しょうゆ各少々、シイタケ1個、三つ葉少々、カニ身20グラム
 【作り方】
 ①卵を溶き、調味料を加えて混ぜる。
 ②シイタケは薄切りに、三つ葉は1センチ幅に切る。カニ身は適宜小分けにする。具材を❶に加えて混ぜる。
 ③フライパンにサラダ油小さじ1を熱し、中火にして❷の半量を流し入れる。フライパンを奥から手前に大きく振りながら、手前に巻いていく。巻いたものを奥に移動させて❷を全て流し入れ、同様に巻く。巻きすに取り、形を整える。

 

白身紫蘇(しそ)チーズフライ

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 【材料】(2人分)
 白身魚(薄切り)10グラム×4枚、大葉2枚、クリームチーズ20グラム、薄力粉適量、卵1個、パン粉適量
 【作り方】
 ①白身魚に塩少々で下味を付ける。大葉は半分に切る。
 ②魚に大葉1/2枚、クリームチーズ5グラムをのせて巻く。薄力粉をまぶし、溶いた卵にくぐらせ、パン粉を付ける。
 ③170度の油でパン粉が色づく程度に揚げる。

 

詰め方のこつ おかず配置、彩り「5色」

 

 弁当を詰めるこつは形のしっかりしたおかずを奥や手前に、中にやわらかいものを置くこと。彩りは黄、赤、緑、白、茶(黒)色の5色が入るときれいに見える。「ブロッコリー、ミニトマト、レモンを入れたり、煮物や揚げ物にサラダ菜を添えたりするといいですね」。白色はご飯やチーズが該当する。
 揚げ物は天ぷらよりフライがお薦め。「パン粉を使うフライは冷めてもさくっとした食感を保ちやすく、おいしく食べられます」
 暖かくなり、食中毒も気になる。「おかずを濃いめの味付けにすることは冷めたご飯でも食が進むだけでなく、菌が繁殖しにくくなります」。梅干しや酢の物を入れてもよい。おかずはいったん冷まして蒸れないようにする、汁気の少ないものを選ぶといったことはもちろん、「保冷剤の使用やお弁当を置く場所への気配りなど、食べるまでの保存にも注意してください」

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お弁当箱、抗菌仕様が人気

 

 バラエティーに富んだ品ぞろえで足を運ぶ度にわくわくする東急ハンズ。浜松店の佐藤志穂さん(49)に日常使いに便利な弁当箱を選んでもらった。
 「新型コロナウイルス下で、感染予防に抗菌仕様のお弁当箱のニーズが高まっています」。東急ハンズオリジナルの「抗菌ふわっとランチボックス2段」は、銀イオンの抗菌加工がされている。中高生や社会人の購入が多いという。
 弁当に麺類を持っていきたい人に薦めるのが、サブヒロモリの「ラシア2WAYサーモキャリーランチ」。付属のおかず容器(210ミリリットル)は麺のソース入れとしても使える。保温ジャーは食材を入れる前に温めたり冷やしたりしておけば、好みの温度で食事が楽しめる。冷たいそうめんやそば、パスタなどは夏場にぴったり。
 「近ごろ話題のオートミールを使ったお弁当が簡単に作れる」のがスープジャー。「オートミールとフリーズドライのスープを入れてお湯を注いで混ぜるだけ。食べる頃にはリゾットになっています」。一押しはサーモスの「真空断熱スープジャーJBR-300」。温、冷どちらでも使用可能で「果物を入れるのにも重宝します」
 弁当箱を選ぶ時には「まず年齢や普段の食事の量から容量を決め、その中から好きなデザインにすると選びやすいと思います」とアドバイスする。


 ◇撮影時のみマスクを外しました
 

 勝呂文洋(すぐろ・ふみひろ)さん なすびグループ和食統括料理長 ホテルセンチュリー静岡の和食調理料理長や総料理長を歴任。2017年の第29回技能グランプリ日本料理部門で銅賞を受賞した。県が認定する「ふじのくに食の都づくり仕事人」としてザ仕事人オブザイヤーに5回選ばれ、「マエストロシェフ」の称号が贈られている。


 

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