川勝知事 田代ダム案「検討に値する」【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川水問題を巡り、JR東海がトンネル湧水の県外流出量を大井川に戻す方策として県有識者会議で示した東京電力田代ダムの取水抑制案について、川勝平太知事は12日の定例記者会見で、県が求める「湧水の全量戻し」の方策として「破綻している」とこれまでの主張を繰り返す一方、「非常に強い関心があり、検討に値する」とも述べ、現実性などを有識者会議で引き続き議論すべきだとの認識を示した。

JR東海が提案した東京電力田代ダム取水抑制案について見解を述べる川勝平太知事=12日午後、県庁
JR東海が提案した東京電力田代ダム取水抑制案について見解を述べる川勝平太知事=12日午後、県庁

 田代ダムの取水量を巡っては県や流域市町、東電などが2005年、「大井川水利流量調整協議会」での議論を通じて合意した経緯がある。川勝知事は「東電は『一滴も譲れない』と言っていたが、戻すことができる流量があると。歓迎すべき話」と述べ、協議会委員になっている市町やほかの流域市町に対しても取水抑制できる量や時期について、JRは説明すべきだと主張した。
 全量戻しの方策としては破綻しているとしながら、議論を継続すべきだと主張することとの整合性を記者に問われると、「トンネル工事とは別次元の問題だが、個別に議論できる。これはこれとして交渉したい」と述べた。
 

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