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静岡人インタビュー「この人」 深谷たか江さん(菊川市)粟ケ岳登頂3000回を達成

 近所の友人の誘いで2010年、中学生の校外活動以来の粟ケ岳(標高532メートル)登山を再開した。掛川市北部の山に残る豊かな自然と景観に魅了され、毎朝の日課になっている。元化粧品販売員。78歳。

深谷たか江さん
深谷たか江さん

 ―3千回達成をどう受け止めているか。
 「節目を迎えたという感慨は全然ない。ただの通過点と思っている。ただ、麓の地場産品直売所のスタッフや近所の人は自分のことのように喜んでくれた。お祝いとして高価なコチョウランを届けてくれた人もいる。本当にありがたい」
 ―粟ケ岳にはまった理由は。
 「中学のころの遠足では、もう駄目かと思うほどしんどかった。そんな記憶がずっと残っていたが、久々に登った時は爽快感と充実感に包まれた。日常の延長では決して体験できない感覚だった。どんなに暑い日も寒い冬の朝も、やめようと思ったことは今まで一度もない」
 ―粟ケ岳の魅力は。
 「今の時期なら、特に雨上がりは素晴らしい雲海ともえぎ色の茶畑がはっとするほどきれいだ。春夏秋冬、それぞれに見事な景観。春はヤマザクラと大島桜、ソメイヨシノが堪能できる。夏も特有の爽快感があり、秋と冬は富士山がよく見える。10年以上前、珍しく雪が降り、白く輝く茶畑を眺めながら新雪を踏みしめて歩いた。忘れられない思い出になっている」
 ―今後の目標は。
 「登頂回数の目標は定めていない。健康である限り、ずっと登り続ける。夏は朝5時、冬は朝6時に家を出て、1時間かけてすたすたと登る。無言でも、季節の移ろいを感じながら自然との対話を楽しんでいく。毎日登るようになってからは、一度も風邪をひいたことがない」

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