タクト振り44年 万感の最終舞台 浜岡吹奏楽団創立・常任指揮者水越さん

 御前崎市の「浜岡吹奏楽団」創立者で常任指揮者の水越直樹さん(73)=同市=が、8日に同市で開かれた定期演奏会を最後に引退した。1978年の創立以来、タクトを振り続けて44年。「多くの仲間と一緒に演奏できたことは宝物」と万感の思いに浸った。

最後の指揮を終えて花束を受け取る水越さん(右)=御前崎市池新田の市民会館
最後の指揮を終えて花束を受け取る水越さん(右)=御前崎市池新田の市民会館

 水越さんは元高校教員。72年に池新田高(同市)に赴任し、吹奏楽部の指導に当たった。教え子たちが卒業後も地元で演奏できる場をつくろうと、約10人のメンバーで活動を始めた。当時の旧浜岡町の小学校には金管バンドや鼓笛隊があり、各地区で合唱サークルが活動するなど音楽は盛んだったという。
 近隣市町に市民楽団がなかったこともあり、創立翌年には団員が約30人に増えた。80年に第1回定期演奏会を開催。マルタさん(サックス)、中川英二郎さん(トロンボーン)ら著名奏者を招いたコンサートも重ねてきた。「組織としての運営がしっかりしてきた。私がいなくても十分やれる」と、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となった8日の定演を最後の舞台に決めた。
 当日は約350人の観衆を前にクラシックの名曲やアニメソングなどを披露した。最後の曲の演奏を終えると、後任指揮者の長男真樹さん(42)にタクトを託した。「44年間はあっという間だった。新しい『浜吹(はますい)』をつくってほしい」と団員にエールを送った。

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