静岡市、プラモデル振興係創設 名前負けしない成果を【黒潮】

 静岡市は2022年度、市産業振興課内に「プラモデル振興係」を創設した。模型メーカーと意見交換を重ねながら、プラモデルを中心としたホビー産業活性化に向けて新たな事業を展開していく方針だ。遊び心のあるユニークな魅力発信策だが、名称ばかりが独り歩きすることなく、確実に成果につながることを期待したい。
 同市には模型メーカーが集積し、プラモデル出荷額は国内8割のシェアを誇る。市内のメーカーでつくる静岡模型教材協同組合によると、新型コロナウイルスの影響による巣ごもり需要の高まりで、プラモデルや関連商品の売り上げは伸び、品薄状態が続いている。今年は静岡ホビーショーの一般公開も3年ぶりに実施予定で、市内にバンダイナムコホールディングスの新工場建設が決まるなど、勢いのある産業の一つと言える。
 プラモデルを活用した交流人口拡大に向け、市はこれまで、組み立て前の部品群をかたどった「プラモニュメント」の設置を進めてきた。ポストや公衆電話をモチーフにしたモニュメントが4カ所にあり、ハッシュタグ「#プラモニュメント」が付いたSNS投稿も増えつつある。他都市にはない取り組みで、引き続き、街中のベンチや街灯、花壇などの工作物にも取り入れられれば、模型ファンはもちろん、多くの市民や観光客が思わずカメラを向けたくなるのではないか。
 しかし、既存事業の拡充だけでは係を創設した意味はない。同係は事業の柱として、プラモデルに親しむ環境、人材、コンテンツの創出を掲げている。環境、人材づくりは既に着手していて、肝となるのはコンテンツづくりだ。係の職員は「メーカーや関連企業と連携して、静岡ならではの新しい取り組みを始めたい」と構想を語るが、まだ形になっていない。
 動きだしたばかりの新設係。ホビー業界に吹く追い風に乗り、目新しい事業をどんどん打ち出してほしい。

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