テーマ : 美術・絵画・写真

三島の国文化財 築90年の日本家屋「隆泉苑」修繕へCF

 昭和初期に建てられた三島市の日本家屋「隆泉苑」の大規模修繕に向け、所有する佐野美術館(同市)は10日から、修理費用をインターネット上で募るクラウドファンディング(CF)を開始する。国の登録有形文化財にも指定される一方で屋根や壁の劣化は激しく、3期に分けて計5900万円を目標に協力を呼びかける。

クラウドファンディングで大規模修繕の費用を集める日本家屋「隆泉苑」=三島市
クラウドファンディングで大規模修繕の費用を集める日本家屋「隆泉苑」=三島市

 隆泉苑は、化学工業の分野で近代日本の発展を支えた同美術館の創立者佐野隆一(1889―1977)が、故郷の三島に住む両親のために建設した。周囲には広さ2千坪の回遊式庭園も整備され、現在では結婚式や会社の研修、茶会などで幅広く親しまれている。一方、築90年ほど経過した建物は雨漏りで屋根や柱、壁が変色し、応急的な補修では今後の維持が難しい状況になっているという。
 今回の大規模修理では、建物全体の瓦、屋根の下地を中心に補修工事を3期に分けて行う計画。CFは第1期が10日午前10時に始まり、6月末までの52日間で1800万円を目標に集める。2、3期も順次開始し、返礼品は協力した金額に応じて瓦の名入れや隆泉苑の貸し切りなどを用意した。期間内で目標額に達しなかった場合は不成立となる。
 同美術館は「地域の貴重な宝を次の100年に引き継ぐためにもぜひ協力してほしい」と呼びかける。
 CFの特設サイトは<https://readyfor.jp/projects/sanobi2022>。問い合わせは同美術館<電055(975)7278>へ。

いい茶0

美術・絵画・写真の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞