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初夏の下田 旬のアカイカいかが? 5月13日からキャンペーン

 「キンメの次はアカイカで」-。全国一のキンメダイの水揚げ量で知られる下田市で、通称アカイカと呼ばれる「ケンサキイカ」で地域おこしを図る動きが始まった。13日からのキャンペーンでは市内の飲食店など約30店舗が一斉にアカイカ料理を提供。市観光協会が県内外へのPRを本格化させる。

アカイカの握りを提供する植松幹男さん。取り組みによる来訪増に期待を寄せる=4月下旬、下田市の美松寿司
アカイカの握りを提供する植松幹男さん。取り組みによる来訪増に期待を寄せる=4月下旬、下田市の美松寿司

 「さっぱりしていて強い甘みも特徴」。市内のすし店「美松寿司」の大将、植松幹男さん(62)が手際よくアカイカの握りを供してくれた。ショウガを添えるとさっぱり感が際立ち、塩で食すと甘みが引き立つ。キャンペーンに参加する各店は生食に加え、天板焼きや天ぷら、中国料理など多彩な味わい方を提案する。
 同市にとって海水浴シーズンの本格化を前にした5~6月は誘客の端境期だが、伊豆諸島など近海で多く水揚げされるアカイカの旬と重なる。市観光協会係長の立見絹代さん(47)は「イカの特産地は函館や青森など首都圏から遠い。地元でもまだ広く知られていないが、観光の新たなツールとしたい」と意気込む。
 今回の企画を市観光協会に提案したのは、JR東日本横浜支社小田原地区センター所長の菅沼晋さん(52)。東京と伊豆半島を結ぶ特急「踊り子」による誘客増に向けて「初夏の限定品として内外の多くの人に知ってもらい地域活性化につなげたい」と強調する。
 キャンペーンは6月30日まで。市観光協会は首都圏をはじめ、地元の「黒船祭」でも広報を展開する。漁の状況によっては提供できない場合もある。問い合わせは同協会<電0558(22)1531>へ。

 ■アカイカ生息 日本が北限
 水産庁や伊豆漁協によると、ケンサキイカは日本西部や東南アジア、オーストラリア北部に主に生息し、日本が北限。国内では長崎を中心に日本海西部から東シナ海の漁獲量が多い。下田港で水揚げされるものは体長50センチほどが多く、大きいもので80センチ前後のイカもあるという。
 下田港ではここ数年、4~6月に2千キロ前後のケンサキイカが水揚げされているが、漁期が短いため水揚げはスルメイカやアオリイカが中心という。伊豆漁協の中川裕介下田支所長は「ケンサキイカは高級品の部類。今回のPR策が広がれば、水揚げ量の増加にもつながるだろう」と期待を寄せる。

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