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地元の果物でジャム開発 淡島ホテル運営会社「地域とつながる一歩」 朝市で販売

 旧運営会社の破算手続き開始決定などを経て、2月に営業を再開した沼津市の淡島ホテルを運営する新会社「フェニックス」が、地域の特産品を取り入れたオリジナル商品の開発に乗り出した。第1弾としてホテル周辺の農家から仕入れた旬の果物でジャムを作り、朝市で販売を始めた。ホテル関係者は「地域とつながる第一歩。地元の人たちと交流を大切にしながら、特産品の盛り上げに貢献していきたい」と思いを語る。

地元産の旬の果物を使って手作りしたジャム=4月中旬、沼津市の淡島ホテル
地元産の旬の果物を使って手作りしたジャム=4月中旬、沼津市の淡島ホテル

 完成したジャムは西浦地区の「西浦みかん寿太郎」と黄金柑、江間(伊豆の国市)のイチゴの3種。同ホテルのシェフらが地元産の新鮮な果物を生産者から買い付け、約1カ月かけて完成させた。保存料や合成着色料、ペクチンを使わず、砂糖と洋酒を加え、果物本来の甘さを引き立て仕上げた。旬の食材を使用するため、季節ごと種類を入れ替え少量生産するという。
 地域との関わりを重視し、オンラインなどの通信販売ではなく、沼津市内浦三津の内浦漁港で開催される「奥するが湾日曜市」で販売を開始した。水産加工品などに並びブースを設けた初回は、130グラム200円(税込み)で販売し、用意した20個が完売。店頭に立ったシェフの伊藤孝夫さん(46)は「地域の食材の魅力を伝える商品開発に精いっぱい力を注ぎたい」と意気込んだ。
 淡島ホテルは旧運営会社の経営難や経営陣の逮捕などを受け、元総支配人がフェニックスを設立して営業を再開した。これまでは首都圏の観光客向けの高級リゾートホテルとして認知されてきたが、新会社での営業再開を受け、地域とのつながりを理念に掲げ再スタートを切った。
 同社の杉森大樹社長(39)は「これまで地域と連携する機会があまりなかった。地元の人に新しい淡島ホテルを知ってもらい、絆を強めながら地域に根差したホテルにしていきたい」と話した。
 奥するが湾日曜市 沼津市内浦三津の内浦漁港で毎週日曜に行われる朝市。地元の農家や水産会社などが10~15店のブースを設ける。地場野菜をはじめ、アジやサバの干物といった水産加工品を販売する。開催時間は午前7時半~11時ごろ。問い合わせは同日曜市事務局の三の浦総合案内所<電055(941)3448>へ。

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