コロナ後遺症「受診先分からない」の声 静岡県、診療体制拡充へ
静岡県は2日、新型コロナウイルスの後遺症治療について、かかりつけ医での診療体制を拡充する方針を明らかにした。後遺症があっても医療機関を受診する人は引き続き少ないことが分かり、診療所を対象に講義や研修を実施して対応力の底上げを図る。

県が同日公表した後遺症調査によると、オミクロン株に感染して後遺症があったと回答した103人のうち、医療機関にかかった人は2割にとどまった。受診先が分からない、市販薬で対応した-などの理由が多く、この傾向は2月に公表したデルタ株以前の調査結果とおおむね同様だった。
受診後も症状が変わらなかったとした回答も目立ち、県は後遺症の専門外来を構える医師の診療ノウハウをかかりつけ医に広める考え。オミクロン株から置き換わりが進む派生型「BA・2」の後遺症も調査していく。
今回の調査では後遺症で最もつらい症状にせき、頭痛、倦怠(けんたい)感が上位を占めた。全体の感染者に占める後遺症の発症率は分かっていない。
県の後藤幹生健康福祉部参事はワクチン接種が後遺症の発生を低減させるかは今後増える追加接種者の傾向で明らかになるとした上で「期待したいところであり、3回目を打つことは一つの方策」と呼び掛けた。