幼魚水族館、清水町に7月開館 館長にタレント鈴木香里武さん

 幼魚を専門に扱う世界的にも珍しい水族館が7月に清水町の大型商業施設「サントムーン柿田川」に開館することが、1日までの関係者への取材で分かった。幼魚を研究するタレント鈴木香里武さん(30)が館長を務め、運営は沼津市のブルーコーナー(石垣幸二代表取締役)が担う。謎が多い海洋生物の成長過程を観察できる研究拠点として、大学などの機関との連携も図る。

幼魚水族館を開館する鈴木香里武さん(左)と石垣幸二代表取締役=3月上旬、三島市
幼魚水族館を開館する鈴木香里武さん(左)と石垣幸二代表取締役=3月上旬、三島市
幼魚水族館の完成イメージ図
幼魚水族館の完成イメージ図
幼魚水族館を開館する鈴木香里武さん(左)と石垣幸二代表取締役=3月上旬、三島市
幼魚水族館の完成イメージ図

 水族館はオアシス棟3階の約330平方メートルに開館する。65の水槽に世界中の淡水魚・海水魚の幼魚のほか、カニやエビ類の幼生など100種類以上を常設展示する。「伊豆の岸壁で採集した幼魚」のコーナーも設け、季節ごとに生物を入れ替え、現在の海の様子や駿河湾の豊かさを伝える。
 幼少の頃から両親に連れられて伊豆半島の漁港に訪れる機会が多かったという鈴木さん。港内にやってくる小さな幼魚たちが最も身近な海の生き物だった。「透明になったり擬態したりと一生懸命な生きざまにとりこになった。水族館の開館は長年の夢。世界初の“小さくて壮大”な幼魚が主役になれる斬新な場にしたい」と力を込める。
 鈴木さんが大学院生として所属する北里大大学院海洋生命科学研究科とタカアシガニのふ化・成長過程の研究を行う予定。このほか、中部大応用生物学部の教員と幼魚の標本製作の研究で協力する計画があるという。
 国内外の水族館や研究機関に海洋生物を納入するブルーコーナーが幼魚を手配。取引先と提携して卵や幼魚の受け入れや、成長した魚を提供する。石垣さんは「生きた状態の幼魚・幼体を観察できる機会が少なく、研究が進まない状況がある。これまで蓄積した飼育のノウハウを生かし、生態解明の一助につなげたい」と話す。
 サントムーン柿田川は国指定天然記念物・柿田川に隣接し、鈴木さんは「柿田川湧水群が駿河湾の豊かさを支えている。海と陸が深くつながっていることを伝え、環境への意識を高めてほしい」と話す。同施設は柿田川の生き物の解説板を設置するなど、水族館と連携した地域の魅力発信も行う。西島俊則支配人は「水族館訪問後に、柿田川で実際に生息する生き物を感じられる。子どもの教育に役立つ良い連携をしたい」と期待する。

 

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