熱海市伊豆山 残った盛り土の排水対策 静岡県が前倒し着工へ
熱海市伊豆山の大規模土石流の起点付近で崩れずに残っている盛り土の一部について、県は28日から排水対策工事に着手する方針を固めた。27日までの県関係者への取材で分かった。当初は5月の大型連休明けの着工予定だったが、梅雨入り前の早期完成に向けて前倒しし、同月中の完成にめどが立ったとしている。

排水対策は崩落部分の西側に残った盛り土に施工する。深さ2、3メートルの地中に、小さな穴の開いた排水管を南北40メートル、東西30メートルの丁字形に埋設し、地下に浸透した水を排水管に集める。集まった水は既設の水路を使って源頭部の南側にある別の沢に流し、残った盛り土に水が流入するのを抑制する。
集まった水を流す既設の水路に関しても、水が染み込みにくい資材で補強する。県は施工箇所について「山の斜面から水が集まりやすい場所」と想定していて、地下に水がたまらないようにするのが目的という。
排水対策に関しては熱海市も、盛り土北側を通る市道側溝のふたを水が入り込みやすい構造に変え、盛り土部分への流入を抑える工事を予定している。