静岡銀行、名古屋銀行と業務提携 次世代車開発に呼応【両行頭取一問一答付き】

 静岡銀行と名古屋銀行(名古屋市中区)は27日、包括業務提携で合意したと正式に発表した。提携の実効性を高めるため、相互に出資する資本提携を結ぶ。静岡、愛知両県共通の基幹である自動車産業で次世代車両の開発や脱炭素化が急がれる中、両行が経営資源やノウハウを持ち寄って協業することで互いの金融サービスを向上させ、開発促進や時代に即した産業構造への転換を促す。

包括業務提携を発表し、握手する静岡銀行の柴田久頭取(左)と名古屋銀行の藤原一朗頭取=27日午後、都内
包括業務提携を発表し、握手する静岡銀行の柴田久頭取(左)と名古屋銀行の藤原一朗頭取=27日午後、都内
記者会見で包括業務提携の狙いを説明する静岡銀行の柴田久頭取(左)と名古屋銀行の藤原一朗頭取=27日午後、都内
記者会見で包括業務提携の狙いを説明する静岡銀行の柴田久頭取(左)と名古屋銀行の藤原一朗頭取=27日午後、都内
包括業務提携を発表し、握手する静岡銀行の柴田久頭取(左)と名古屋銀行の藤原一朗頭取=27日午後、都内
記者会見で包括業務提携の狙いを説明する静岡銀行の柴田久頭取(左)と名古屋銀行の藤原一朗頭取=27日午後、都内

 同日、都内で記者会見した静岡銀の柴田久頭取は「ノウハウ、ネットワークを相互に活用し、発展させることで地域経済の産業構造変革に対応できると判断した」と説明。名古屋銀の藤原一朗頭取は「経営基盤が地銀トップクラスの静岡銀行と提携することで、地域経済の持続的発展を共創する」と述べた。
 「静岡・名古屋アライアンス(提携)」との名称で、取引先企業の事業拡大支援や基幹システムの共同化によるコスト削減なども進め、5年間で両行合わせて100億円の提携効果を見込む。今後、両行頭取をトップとするプロジェクトチームを設置するとともに「企業サポート」や「コーポレート戦略」「国際戦略」など10分科会を立ち上げ、具体的な取り組みを協議する。静岡銀の証券子会社、静銀ティーエム証券の名古屋進出も図る。
 経営統合に関しては両行ともに「実効性が上がるまでにかえって時間がかかる」などとして否定した。

 ■次世代車開発に呼応 経営改善促し発展持続へ
 静岡銀行が27日、愛知県が基盤の名古屋銀行と包括業務提携で合意した背景には、静岡、愛知両県で基幹の自動車産業が100年に一度といわれる大転換期を迎えて加速している次世代自動車開発に呼応し、金融支援を充実させたい狙いがある。電気自動車(EV)の普及で業態転換を余儀なくされる部品メーカーなどの経営改善支援にも注力し、地域経済の持続的発展に貢献していく考えだ。
 EVはガソリン車と比べ、必要な部品が半減するとされる。このため両県にとって、将来的な次世代自動車の開発促進は下請け業者を相次ぐ廃業に追い込みかねず、地域経済の地盤沈下を招く恐れを伴う。静岡銀の柴田久頭取は記者会見で「業態変化を求められる地元企業の経営改善を促すには、単独の銀行でなく、より広域で課題解決に当たる必要がある」と述べた。
 両行は互いの独立経営や顧客基盤を維持しつつ、経営資源やノウハウを持ち寄ることで従来の発想になかった金融サービスを企画・提供する方針。金融機関同士の合併や経営統合よりも効果を発揮するのに時間がかからないとみている。政府から地銀再編の機運が再び高まりそうな中、地域金融機関が生き残るための選択肢として、両行の協業の在り方が注目される。

 ■ノウハウ生かし効果上げる 両行頭取一問一答
 静岡銀行の柴田久頭取と名古屋銀行の藤原一朗頭取は27日、両行の包括業務提携について都内で記者会見し、互いの経営資源を活用し、静岡、愛知両県で基幹の自動車産業を中心とした経営支援などで提携効果を上げる考えを示した。主な一問一答は次の通り。
 ―提携の狙いは。
 柴田頭取「取引先企業の50%が自動車関連の名古屋銀は、次世代自動車開発などで豊富な知見を持つ。当行のコンサルティングのノウハウと名古屋銀の顧客基盤が合わされば、より良いサービスを展開できる」
 藤原頭取「静岡銀は脱炭素支援などの取り組み実績で地銀トップクラス。新サービスを共創することで事業領域の拡大にもつながる」
 ―共通した危機感があったのか。
 柴田頭取「幅広い産業で脱炭素化やデジタル化が求められているが、特に自動車関連は100年に一度の大変革期。部品数が少なくて済む次世代自動車の開発が進めば、下請け企業が業態変化や廃業に迫られる可能性もある」
 ―愛知銀行と中京銀行が経営統合を発表した。両行への意識は。
 藤原頭取「意識はしていない。あくまで地域企業の経営課題に対し、金融機関として何ができるかとの共通した思いが(提携の)出発点だ」

 <メモ>名古屋銀行 1949年創業で、名古屋市中区に本店を置く第二地銀。愛知県内でメインバンクシェアは三菱UFJ銀行に次いで2位(帝国データバンク調べ)。本県や東京都、岐阜県などを含めて国内に113支店・出張所を展開し、海外は中国に1支店・1駐在員事務所を構える。2021年3月期の連結総資産は4兆9127億円、連結経常収益は690億5千万円、純利益は107億2600万円。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ