東海汽缶、島田にSL専用工場 修繕・継承拠点建設へ

 大井川鉄道(本社・島田市)の蒸気機関車(SL)のメンテナンスを手掛ける東海汽缶(静岡市清水区)は、島田市内にSL専門の修理を行う新工場を建設する。同社の鉄道事業の根幹を支えるSL車両の確保・継承に加え、全国のSLの修繕や復元を担う拠点とする方針。

新車両として21年ぶりに大井川鉄道が搬入した蒸気機関車(SL)=2月、島田市内
新車両として21年ぶりに大井川鉄道が搬入した蒸気機関車(SL)=2月、島田市内
SLの新工場建設地
SLの新工場建設地
新車両として21年ぶりに大井川鉄道が搬入した蒸気機関車(SL)=2月、島田市内
SLの新工場建設地

 建設地は大井川鉄道本社がある新金谷駅の近くで、SL2両を同時に補修できるレーンやクレーンを整備し、車体の展示なども行う。来月にも着工し、来年1月の稼働を目指す。21年ぶりの新車両としてことし2月に兵庫県加東市から譲り受けた「C56形」の整備が第1弾の事業となる見通し。
 大鉄は1976年にSL運転を復活させ、現在は「きかんしゃトーマス号」が人気を集めている。現在、営業用に4両を使用するが老朽化が進み、年単位の修繕期間が必要なことから安定的な運転が課題となっていた。
 産業用ボイラーや圧力容器を製造する東海汽缶は約40年にわたって大鉄のSLのボイラー整備を手掛け、近年は県内外の観光地からSL修繕の依頼を受けるなどSL関連の業績を伸ばしている。2020年に大鉄の鈴木肇社長が社長に就いた。

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