静岡県立美術館 新デジタルアーカイブ 所蔵2700点を収録 池大雅作品、高精細画像で

 静岡県立美術館が、所蔵品約2700点の作品を検索できる新しいデジタルアーカイブを公開した。これまでの検索サイトを一新し、作品解説など情報の充実を図ると同時に、動画や高精細画像を活用したコンテンツを加えた。スマートフォンでも見られる。

県立美術館のデジタルアーカイブに収められた池大雅作「蘭亭曲水・龍山勝会図屏風」の超高精細画像のスマートフォン画面
県立美術館のデジタルアーカイブに収められた池大雅作「蘭亭曲水・龍山勝会図屏風」の超高精細画像のスマートフォン画面

 所蔵品検索のエリアでは、約8割の作品が画像付き。図書閲覧室に収めた図録などの情報も新たに加えた。
 動画のエリアでは浜松市出身の美術家中村宏さんが1950年代から現在までの作品制作を語るインタビューや、木下直之館長と「批評とその愛人№1-7」が同館に所蔵されている美術家森村泰昌さんの対談などが見られる。
 所蔵作品への新たなアプローチも。オーギュスト・ロダン作「地獄の門」は3D画像で細部をさまざまな角度から視点を変えて楽しめる。
 最大の目玉は国指定重要文化財の池大雅作「蘭亭曲水・龍山勝会図屏風」の超高精細画像。好きな部分を自由にクローズアップできる。木や岩の輪郭線、人々の表情だけでなく、ひげの一本一本まで確認できる。石上充代学芸課長は「びょうぶの大画面の迫力は、細部の精密な描写の積み重ねで成り立っていることがよく理解できる」とデジタル技術を活用した名画の鑑賞を勧める。

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