テーマ : 福祉・介護

絵画療育に情熱注ぎ60年 藤枝の画家・落合さん「障害者との一体感大切に」

 元浜松大(現常葉大)教授で藤枝市在住の画家落合英男さん(82)が福祉施設の知的障害者を対象に絵画指導を始めて60年になる。3月下旬にかけて静岡市内で開いた“教え子”たちの作品展には、個性あふれる多彩な色使いの絵画が並び、来場者の目を引きつけた。落合さんは「障害者との一体感を大切に、これからも支え続けたい」と意欲を燃やす。

作品展の来場者に絵画の指導方法などを解説する落合さん(左)=静岡市葵区の静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター
作品展の来場者に絵画の指導方法などを解説する落合さん(左)=静岡市葵区の静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター
落合さんが指導した生徒による作品展
落合さんが指導した生徒による作品展
作品展の来場者に絵画の指導方法などを解説する落合さん(左)=静岡市葵区の静岡市文化・クリエイティブ産業振興センター
落合さんが指導した生徒による作品展

 落合さんは施設利用者らの日常を潤す「アート療育」を実践し、一人一人の障害の程度や個性に合った創作手法を伝えている。
 自身、小学3年の時、事故で左肘を複雑骨折し、片手が不自由になった。当時音楽会で木琴を担当することになっていたが、手が不自由だという理由で突然降ろされることに。「そんな自分を見て母親は、一人で自由に作業できる絵を勧めてくれた」。画家としての原点だ。
 多摩美術大を卒業後、静岡済生会病院(静岡市駿河区)に作業療法士として勤務し、障害者の機能回復を支えた。知的障害者に対する絵画療育の研究にも努め、御殿場市の富岳会や、菊川市の草笛の会、三島市の見晴学園などの障害者施設で絵画を通じた支援に取り組んできた。年に数回、県内を中心に、施設利用者らの作品展を開いて活動の成果を披露する。
 指導の現場では、施設利用者と一緒に描画作業を繰り返し、共に創作を楽しむことを重視するという落合さん。「発達に遅れがあっても、環境次第でできることを増やしたり、情緒を安定させたりすることができる」。寄り添い、声を掛け、見守る姿勢を大切に、「相手の生涯を通じて継続していく」と力を込めた。

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