eスポーツ、バーチャル旅行体験...世代越えた集いの場 静岡の介護施設、「サロン」無料開放
地域に開かれた“居場所”を提供しようと、静岡市葵区一番町で介護施設を運営する「まごころ介護サービス」が、休業日を活用した「コミュニティサロン」を開設した。毎月最終週の日曜に無料開放し、イベントや講座を展開していく。お年寄りから若者まで年齢の垣根を越えて交流することで、地域住民の健康増進や孤立の解消を目指す。

初回はコンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」を選んだ。視覚や聴覚、手を同時に使うことで認知症予防も期待できる。プレオープンの3月下旬、施設を訪れた60~80代の男女4人は県eスポーツ連合のインストラクターに教えてもらいながら、リズムに合わせて太鼓をたたくゲーム「太鼓の達人」に挑戦した。同区の女性(80)は「画面の動きに合わせて手を動かすのが難しかった。自宅ではできないので参加して良かった」と喜んだ。
「地域のみんなが気軽に集える場所をつくりたい」と昨年9月、静岡市に相談したのがきっかけ。市の生活支援コーディネーターや福祉関係の就職を志す学生と連携し、新型コロナ禍で生じた健康不安や周囲との交流減少などの課題を克服できるような企画を展開する。参加者の意見も反映し、月替わりでイベントや講座内容を検討していく。
まごころ介護サービス地域事業推進室副主任の大清水瀬奈さん(25)は「友達を誘って気軽に集える場所。新しい体験ができるほか、職員が福祉や健康相談に乗ることもできる」と語った。
■ボランティア募集
まごころ介護サービスは「コミュニティサロン」の参加者とボランティアを募集している。次回の24日はパソコンやスマートフォンアプリを活用した「バーチャル旅行体験」を行う。ボランティアは企画運営や広報などを担う。居住地を問わず誰でも応募可能。問い合わせは担当の大清水さん<電070(1239)9448>へ。