追っかけわたしの特集

特集 : NEXT特捜隊

女性の視点「こち女」から 視野を広げて「NEXTラボ」へ

 金曜夕刊の特集面として7年半継続してきた「こちら女性編集室(こち女)」が、4月から「NEXT(ネクスト)ラボ」に生まれ変わりました。担当がこれまでを振り返りつつ、紙面刷新の理由や今後の取り組みについてお話しします。
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 西條朋子、伊豆田有希、大滝麻衣=社会部記者。それぞれ産休育休を経て「こち女」を担当
 溝口将人=編集局次長
 橋爪充=文化生活部長。「こち女」担当デスクを2年務めた

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 西條 こち女の初掲載は2014年10月。国が女性活躍推進を掲げる中、女性の視点や問題意識を紙面に生かそうと創設されました。育休復帰後に時短勤務で働く女性記者が担当し、メンバーは入れ替わりつつですが、チームで話し合って紙面を作ってきました。
 大滝 取り上げたテーマは、不妊治療や産後うつ、保育園・学童保育の待機児童問題、夫婦の家事分担、ひとり親を巡る課題など多様でした。担当記者がそれぞれの生活の中で壁に直面したり、課題と感じたりして取材したテーマが多くあったように思います。
 橋爪 読者との双方向のやりとりが、記事の主題にリアリティーを与えていた面もありますよね。
 大滝 2019年7月からはLINEを使ったアンケートや意見募集を始め、登録者は1200人ほどまで増えました。やりとりの中で共感はもちろん、思わぬ気付きを与えていただき、紙面を通じて共有できたことは貴重な経験でした。
 溝口 一方で、社会的にはここ数年、ジェンダー平等の意識がかつてなく高まっています。「女性として」「男性として」ではなく、社会を構成する一人の人間として役割を果たしていく、という考えが一般的になりつつあると感じます。
 西條 確かに担当として書きにくさを感じる場面も増えました。出産や子育て、仕事との両立は主要テーマでしたが、取り上げ方によっては「子育ては女性の役割」という押しつけになりかねません。女性自身の生き方も多様化しています。
 溝口 そこで「NEXTラボ」では、性別の枠にとらわれず、より個人に根ざした立ち位置から、生活に密着した話題を掘り起こしたいと考えます。「ラボ(実験室)」ですから、テーマ設定だけでなく、取材や表現の方法まで、これまでのやり方にとらわれずやっていく意気込みです。
 伊豆田 読者が今、もっと知りたいと望んでいることを、望まれる形で届けたいです。グラフィックを積極的に活用するなど視覚的に分かりやすく見せることにも挑戦したい。インターネット上の膨大なデータを報道に生かすなど、新たな手法も試みます。
 大滝 余裕のある紙面ならではの、詳しく伝える姿勢を大事にした記事を届けたいと思っています。当事者の思いなど細部を表現していきたいです。
 西條 「こち女」で扱ってきたジェンダーに関わる話題は、誰もが生きやすい社会の実現に向けた課題と位置づけ、一層力を入れていくつもりです。
 橋爪 静岡新聞では、読者の皆さんとの双方向のやりとりから取材を進める「NEXT特捜隊(N特)」に取り組んでいます。このN特も、今後は「NEXTラボ」の中で拡充して展開します。ラボでは文化的テーマも深掘りします。「面白い」「大切だ」など、令和の日本を生きる人間としての感じ方を、皆さんと共有したいと思います。
 

いい茶0

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