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特集 : 熱海土石流災害

熱海土石流 現所有者、危険性認識否定 市長と前所有者の責任指摘

 災害関連死を含め27人が死亡し、1人が行方不明になっている熱海市の土石流災害で、起点となった盛り土部分を含む土地の現所有者の男性(85)が、2日までに静岡新聞社の取材に応じた。危険性の認識はなかったとした上で「わたくしが今回の件で悪いと思っているのは熱海の市長。退避命令(避難指示)を出していれば一人も死ななかった」と持論を述べた。斉藤栄市長に次いで責任があるのは土地の前所有者(71)との考えも明らかにした。
 土石流は3日で発生から9カ月を迎えた。災害を巡って、現所有者の発言が公になるのは初めて。熱海市議会の百条委員会では、元部下が現所有者について、盛り土崩落の危険性を認識していたと証言しているが「言わせとけばいい」と意に介する様子はなかった。
 現所有者は、熱海市が昨年7月3日の発災前に避難指示を出さなかったことについて、斉藤市長の責任の重さを指摘した。斉藤市長は今月8日に行われる百条委に参考人として招致され、盛り土造成時の経緯などについて質疑を受ける。
 盛り土造成計画を市に届け出た前土地所有者である神奈川県小田原市の不動産管理会社の代表は、土地譲渡後の現所有者の責任を訴えている。一方、現所有者は「そのうちはっきり分かるでしょう」と否定も肯定もしなかった。前所有者とは2回程度しか会ったことがなかったとも説明した。
 現所有者は2011年に同社から土地を購入した。土石流災害を受け、遺族から殺人と重過失致死容疑で熱海署に刑事告訴され、静岡地裁沼津支部に損害賠償請求訴訟も起こされた。5月に百条委で証人尋問が実施される見通し。代理人の弁護士によると、現所有者は出頭する予定という。

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