精度より「総合的に検証」 国交省専門家会議、地質データ巡り静岡県に回答【大井川とリニア】

 国土交通省は30日、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題を議論した同省専門家会議の中間報告に対する県有識者会議の地質構造・水資源専門部会の意見書に回答した。県専門部会が水量予測の精度を高めるために追加取得する必要性を指摘した地質データに関し「総合的に検証し、科学的・工学的な見地から専門的な判断を行った」とし、総合的な検証の上でデータの追加取得は重視しなかったとの見解を示した。
 事務局を務める鉄道局の担当者は「水量や地下水位、地下水の化学的分析を総合的に判断して結論に至った。モデルの精度や精緻さを問題視していなかった」と説明した。
 県専門部会は工事による上流部の表流水枯渇を回避する提案を求めるなどしたが、中間報告の中身とは関係がなく「回答する立場にない」とした。県外流出するトンネル湧水の全量戻しやモニタリングの内容・方法の具体案の要求に対しては「JR東海が地域との双方向のコミュニケーションを行い決定していくべき」との立場を示した。
 調査が不十分で推測の域を出ない報告書と指摘を受けた点に関しては、実測データや化学的な成分分析の調査結果に基づく議論を積み重ねたとして「推測の域を出ない報告書ではない」と反論した。
 回答は鉄道局が専門家会議の委員の意見を取りまとめた。

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