静岡人インタビュー「この人」 古田皓晟さん 富士山噴火の防災啓発イベントを開いた
沼津高専の学生有志6人で取り組む防災教育活動のリーダーを務めた。ものづくり、シミュレーションなど授業で学んだ知識を生かし、学際的なアプローチで教材を製作。地域住民に活用してもらい、防災意識の向上を図った。浜松市中区出身。同校機械工学科を3月に卒業した。20歳。

-地域の防災課題は。
「地震や津波、風水害と比べ、噴火に対する危機意識が低いと感じる。富士山を災害の対象と認識せず、観光資源としてしか見ていない人が多いのではないか。住民へのヒアリングで、昨年3月に改定された富士山ハザードマップの周知がまだ進んでいないことも分かった」
-防災活動に取り組んだきっかけは。
「小さい頃から消防車に興味があった。家族と一緒に消防署の見学などをしているうちに、火災や地震に対する意識が自然と芽生えた。沼津高専に入学し、寮生500人をまとめる寮長を任された中で、地域との連携を密にし、積極的に防災活動を広めていこうと思った」
-イベントの手応えは。
「多くの地域住民が来場し、『沼津が噴火被害を受けることを知らなかった』『富士山を火山と意識するきっかけになった』という感想を聞くことができた。沼津高専の寮と地域の自主防災組織の連携について知ってもらうきっかけにもなり、充実した活動になった」
―手掛けたいことは。
「高専生としての活動は一区切り。ただ、長年培った防災の知識や昨年取得した普通救命の資格などはこれからも生かせるし、沼津高専がまた防災イベントを開くときにはぜひ協力したい。今後の人生でも防災に関わり続けられたらうれしい」