文化財→ウイスキー蒸留所に 三島「懐古堂ムラカミ屋」をリノベーション

 三島市大社町の国登録有形文化財「懐古堂ムラカミ屋」をリノベーションして、ウイスキーの蒸留所を立ち上げる計画が始まった。蒸留後に熟成させる樽(たる)の保管場所を市内で募集するなど、市民を巻き込みながら三島でしか飲めないウイスキーを造り上げる。蒸留所は1年後に稼働を開始する予定で、2024年中の商品化を目指す。

ウイスキー蒸留所を立ち上げる懐古堂ムラカミ屋=三島市大社町
ウイスキー蒸留所を立ち上げる懐古堂ムラカミ屋=三島市大社町

 企画したのはバーボンウイスキーの製造販売を手がける「Whiskey&Co.」(東京)。全国各地を回って適地を探す中で、市内を流れる清らかな水と首都圏へのアクセス、町並みの雰囲気に魅せられて三島を選んだ。特に関東大震災後に建てられた旧洋品店のムラカミ屋は近代的な風情をそのままに残し、大森章平社長(47)は「一目見て気に入った。イメージとぴったり」と語る。
 稼働に向け、さまざまな仕掛けも計画中。バーボンの原料でもあるトウモロコシを使った「三島タコス」を今夏に売り出すほか、人がつながる商品や場を企画するなど地元ブランドの開発と市民の絆づくりにも取り組む。市内各地に樽の保管場所を構えることで「ウイスキーが眠る街」として発信し、三島ならではのウイスキーを売り出して観光誘客や移住の促進も見据える。
 市に対しては市外の人にバーチャル住民票を発行してさまざまなサービスを提供する「電子市民制度」の導入を提案。ウイスキーは市民と市内の飲食店のみに販売するが、“電子市民”にも優先購入権を提供して関係人口の増加につなげる考えだ。大森社長は「市民と一緒に造り上げ、地域が元気になるウイスキーにしたい」と意気込む。

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