ワクチン 3回目職場接種上向き 静岡県内、昨年末比1.6倍 長引くコロナ「第6波」楽観一変

社会活動の正常化を願い、事業所が進める新型コロナワクチン職場接種=24日、静岡市葵区
社会活動の正常化を願い、事業所が進める新型コロナワクチン職場接種=24日、静岡市葵区

 新型コロナウイルスワクチンの3回目の職場接種で、直近の静岡県内の実施申請数が105件となり、受け付けが始まった昨年末時点の65件から1.6倍に伸びたことが25日までに、県への取材で分かった。自治体接種の体制が整ってきていることから、1、2回目接種の139件よりは少ないものの、オミクロン株による「第6波」が長引き、停滞していた企業単位の接種への機運が上向いてきた。
 県新型コロナ対策推進課によると、昨年末に行った意向調査で89の企業団体が「実施予定」または「実施を検討中」と回答した。現時点の申請数105件は、これより2割近く多い。ワクチンの供給希望は計20万人分だという。担当者は年明けに始まった第6波が収束せず、「当初の楽観論が一変したようだ」と分析。職場接種の実施要件が千人から500人に緩和されたことも後押ししたとみる。
 企業団体側も接種希望者の変化を実感している。
 加盟1万3500社に向けて1万5千人分の接種枠を用意した浜松商議所(浜松市中区)。小田木俊郎総務管理課長代理によると、予約状況は3~4割で推移してきたが、ここに来て問い合わせが増えた。
 感染者数が高止まりする中、若い世代に接種券が届くようになり、目に見えた動きにつながったとみられる。感染状況は企業活動の浮き沈みに直結するだけに小田木課長代理は「収束を願う加盟社、従業員の思いに応え、接種環境を提供したい」と語る。
 静岡伊勢丹(静岡市葵区)は従業員や家族、さらに取引先と近隣商店街にも声を掛けたところ、計900人が手を挙げ、24日に全日程を終えた。折しも2カ月近く続いたまん延防止等重点措置が解除され、多々良正人人事マネジャーは「お客さまと従業員に安心安全を実感してもらい、活気を取り戻したい」と言葉に力を込めた。
 ただ、1、2回目の接種を行った企業団体の2割強が3回目を申請していない。1、2回目で11社約1100人が接種した富士宮鉄工団地協同組合(富士宮市)の遠藤英男事務局長は「まとまった人数が同じ日に打つことで業務に支障が出た事業所があり、『今回は個別で』という判断になった」と事情を明かした。

 ■高齢者感染は急減 静岡県「3回目接種が効果」
 静岡県は新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が進む高齢者は感染者数が急速に減少したとし、幅広い世代に積極的な接種を呼び掛ける。
 まとめによると、高齢者の3回目接種率が7割を超えた3月14日の高齢者の新規感染は497人で、接種率が2割程度だった1カ月前の1299人から約6割減少した。同じ期間の69歳以下感染者の減少幅は約2割だった。
 直近の全世代平均接種率は35%。後藤幹生健康福祉部参事は「ワクチン効果は証明された。春休みや大型連休で感染状況が悪化する可能性もあり、打てる人は早めの接種検討をお願いしたい」と強調する。

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