河合楽器 設備投資70億円 新中期計画、ブランド力強化

 河合楽器製作所は25日、4月から3カ年の新中期経営計画を発表した。創立100周年となる2027年を見据え、ブランド力と生産販売態勢の強化を掲げた。3年間で計70億円の設備投資を行い、インドネシア工場の生産を拡充するほか、グランドピアノのマザー工場として竜洋工場(磐田市)の展示・発信機能を高める。

記者会見で3カ年での成長戦略を示す河合弘隆会長兼社長=25日午前、浜松市中区
記者会見で3カ年での成長戦略を示す河合弘隆会長兼社長=25日午前、浜松市中区

 最終年度の25年3月期の売上高目標は22年3月期見込み比7・8%増の900億円。経常利益は17・2%増の68億円、純利益は18・9%増の44億円と過去最高を見込む。
 23年度にインドネシアの電子ピアノ工場を増強し、生産能力を2~3割程度向上させる。竜洋工場ではグランドピアノの旗艦モデル「シゲルカワイ(SK)」の生産工程を見学できるコースや、ピアノの試弾エリアを整備する。現在は年間約千台のSK生産態勢を27年までに1200台に引き上げる方針。
 販売面では普及価格帯の電子ピアノのラインアップ拡充、新興国での音楽教室事業の強化を進め、鍵盤楽器の売上高を北米で25・9%増、中国で19・2%増を目指す。
 若手ピアニストの育成に向け、国際ピアノコンクールの第4回大会開催も計画する。
 同日、浜松市中区で記者会見した河合弘隆会長兼社長は「ウクライナ情勢も含めて先行きは不透明だが、グループの総力を挙げて企業価値の向上を図る。ピアノのトップブランドを目指し、音楽文化の発展にも貢献していく」と述べた。

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