30年以上飼育のトラザメ…実は新種でした 下田海中水族館
下田市の下田海中水族館で22日、新種のトラザメ「フカミトラザメ」の特別展示が始まった。同館が30年以上飼育していたが、一般的なトラザメと違う特徴を持つことから2016年に東海大海洋学部(静岡市清水区)と共同研究を始め、1月に新種登録された。展示は5月8日まで。

伊豆諸島近海に生息するフカミトラザメは尻びれにトラザメとは異なる特徴があり、卵の表面には凹凸がある。同大の野原健司准教授と田中彰客員教授、同大大学院修了の伊藤菜波さん、同学部卒業生で同館元職員の藤井美帆さんが研究を進め、DNAなども分析して新種と判断した。国際学術誌の「ズータクサ」に投稿して掲載され、和名はトラザメより深い場所に生息することから名付けた。
同館で飼育する15匹のうち、体長約40センチの雄と雌計2匹を展示している。飼育員の中西健さん(26)は「長年の謎にようやく結論が出た。まだ不明なことの多い深海生物の多様性を感じてほしい」と話した。