JR、合流点回避せず ルート選定時、静岡市は下流側へ設定要求【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線の計画段階で南アルプス(大井川上流域)をトンネルで貫通するルートを選定した際、トンネル工事による水環境への影響を懸念して支流との合流点を避けるルート設定を求めた静岡市の意見に対し、JR東海が「影響は小さい」として対応していなかったことが、18日までの市などへの取材で分かった。JRは合流点を通るルートを決めた後になって、水環境への具体的な影響を公表していた。

JR東海の想定に基づくトンネル掘削完了20年後の地下水位低下予測図
JR東海の想定に基づくトンネル掘削完了20年後の地下水位低下予測図

 JRはルートを絞り込む段階の2011年6月、支流の西俣川との合流点付近を通る幅3キロの概略ルートを示した。この直後、市はJRに提出した意見書で「東俣、西俣の合流点付近で大井川を越えるように見えるが、この計画では大井川の東俣、西俣の両方に大きな負荷をかけかねない」として合流点の下流側にルートをずらした方が影響を軽減できると指摘していた。
 これに対しJRは同年9月、「当該区間はトンネルで通過する計画であり、地表部への影響は小さい」と公表文書に記載。影響について具体的に説明していなかった。13年9月に合流点を通るルートを決めたが、合流点付近の地下水位が100~200メートル低下する予測を公表したのは20年7月だった。
 市の担当者は「(ルート選定した)当時の経緯はよく分からないが(市の意見書に対して)JRがルートを変えなかったと受け取れる」としている。

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